Google、Microsoft、Facebookのような大手企業は毎年のように自社のデータセンターを増強しています。これら全ての企業に共通することは、コンピューティングやストレージのあらゆるニーズに対応できるようなデータセンターを設計したいと考えていることです。
Google、Microsoft、Facebookのような大手企業は毎年のように自社のデータセンターを増強しています。これら全ての企業に共通することは、コンピューティングやストレージのあらゆるニーズに対応できるようなデータセンターを設計したいと考えていることです。しかし、今日、データセンターにおけるタスクは多岐にわたるため、その分、用途に応じた異なるリソースの確保が必要になります。また、ますます巧妙化するサイバー攻撃の脅威から長期間にわたって秘密情報を守ることもデータセンターでは重要な要素になっています。
このようなトレンドによりデータセンターはこれまでにない変貌を遂げています。
ほとんどのエッジデバイスや、その周りで生成されるデータの爆発的な増加に伴い、データセンターの定義がこれまでのような「数千台のサーバやストレージシステムを収容する巨大な建物」から変わりつつあります。近年は、中小企業における換気された室内への数台のサーバの設置や、携帯電話からのデータを処理するセルタワーに設置する単一システムなど、ネットワークのエッジに近い場所に存在する小規模なデータセンターの意味もあります。さらに、工場内の製造ロボットや生産ラインとリアルタイムに通信するデータセンターも存在するため、その要素も組み込む必要があります。
このデータセンターの利用方法の変革は、設計にも影響を及ぼしています。データセンターの構築や更新のために新しいサーバやストレージシステムを設計するには、関連するアプリケーションのスケールアップやスケールアウトの性質を理解する必要があります。このプロセスは、企業が求めるスムーズで生産性の高いデータセンターを運営するためのインフラを構築するために不可欠です。
屋外のエッジに設置されるデータセンターでは、より厳しい環境条件に耐えるように設計された堅牢なサーバが必要になることがあります。激しい温度変化や湿度、極度の揺れ、さらには空気中の粉塵(じん)などにも耐えられなければなりません。多くの場合、冷却ファンに頼らないファンレス方式を採用し、限られた電力で動作する必要があります。センサーデータを収集してフィルタリングするようなサーバや、通信インフラの一部として設置されるようなサーバが代表的な例であり、空調設備の整ったデータセンターに設置されているタイプのシステムとは全く異なります。
大規模なデータセンターのサーバと比較して、エッジに設置されるサーバにはファンやHDDなどの回転する部品がなく、接続オプションも少なくなります。また、ミニデータセンターに設置されるより大型のシステムでは、設置環境の制約から保守性に優れたフロントアクセス方式が必要になります。
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