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HDD大手Western Digitalの業績、ニアライン販売額が前年同期比で40%近く増加福田昭のストレージ通信(215)(1/2 ページ)

米Western Digitalの2022会計年度第3四半期(2022年1月〜3月期)の業績を紹介する。

» 2022年05月11日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

売上高は4四半期連続で前年超えも前期比は連続して減少

 ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2022年4月27日、WDが同年4月28日である。そこで両社の四半期業績を、2回に分けて紹介している。前回はSeagateの四半期業績を解説した。今回はWDの四半期業績をご説明する。

 WDの会計期間もSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。2022年4月28日にWDが発表したのは2022年1月〜3月の四半期業績で、会計年度では「2022会計年度第3四半期」となる。

 2022会計年度第3四半期(2022年1月〜3月期)の売上高は前四半期比(前期比)9%減、前年同期比6%増の43億8100万米ドルである。前期比は前四半期に続いて減少した。前年同期比は4四半期連続で増加した。

 2022会計年度第3四半期(2022年1月〜3月期)の営業利益(Non-GAAPベース)は前四半期比(前期比)26%減、前年同期比58%増の6億5000万米ドルである。粗利益率(Non-GAAPベース)は31.7%となり高い水準を維持した。前四半期比(前期比)では1.9ポイント減、前年同期比では4.0ポイント増である。売上高営業利益率(Non-GAAPベース)は14.8%と比較的高い値を維持した。前四半期比(前期比)では3.4ポイント減、前年同期比では4.8ポイント増である。

2022会計年度第3四半期(2022年1月〜3月期)の業績概要(Non-GAAPベース)[クリックで拡大] 出所:Western Digital

 2022会計年度第3四半期(2022年1月〜3月期)の概況としては、ストレージに対する長期的な需要が、広い範囲の用途でフラッシュメモリ応用品(NANDフラッシュメモリの応用製品)とHDD製品の成長に貢献しているとする。フラッシュメモリ応用品では、PC向けにクライアントSSDの需要が上向きつつある。第5世代(BiCS5)3D NANDフラッシュ製品のクライント向けとコンシューマー向けの認証はおおむね完了しており、エンタープライズ向けのBiCS5搭載次世代SSDの認証が進んでいる。第5世代(BiCS5)3D NANDフラッシュ製品の売り上げは増加しており、フラッシュ応用製品全体の半分近くを占めるまでになった。

 HDD製品では売り上げは季節変動に沿っており、また大容量エンタープライズ向けが売り上げをけん引した。クラウド向け大容量品(18TB(テラバイト:1012バイト)品と20TB品)の需要が堅く、ニアラインHDDの売り上げは前年同期と比べて40%近く増加した。

Western Digitalの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお営業利益はGAAPベースなので、業績概要のスライド(Non-GAAPベース)とは数値が一致していない[クリックで拡大]
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