――Reality AIから話は変わりますが、ルネサスは、ArduinoのシリーズBラウンドの資金調達に参加し、1000万米ドルを出資しました。
Chittipeddi氏 ルネサスの戦略である“Go deep, Go broad(深く、広く)”に沿ったものだ。
Arduinoのユーザーは3000万人を超え、巨大なマーケットを形成している。このような大規模なユーザー基盤に接触し、ルネサスや、ルネサスの製品についての認知度を向上させる。通常、われわれのようなB2B(Business to Business)のメーカーがエンドユーザーと1対1で接することはないので、Arduinoが持つ巨大なエコシステムに入り込むことが、ルネサスにとっては認知度向上の一つの手段となる。
さらに、Arduinoが、プロユーザーや産業用途をターゲットにした「Aruduino Pro」のラインアップを強化していることも、出資を決めた理由の一つだ。産業用途やプロ向けであれば、われわれはニーズをよく理解しているので、Arduinoやコミュニティーが求める要件に応えやすい。
――プレスリリースには、「Arduinoは、MCU/MPU、アナログ、パワー、コネクティビティなどルネサスの製品ポートフォリオを通して、より高度な技術を使えるようになります」とありますが、ArduinoにルネサスのMCUが搭載される可能性はありますか?
Chittipeddi氏 現時点でお伝えできることはないが、主に汎用マイコンであるRAファミリーとRZファミリーをアピールしていきたいと考えている。汎用マイコン市場の主要プレイヤーとしての、ルネサスの存在感を上げていくのが狙いだ。
――学生たちの間では、ルネサスの知名度はまだ高くないのでしょうか。
Chittipeddi氏 残念ながら高くはないのが実情だ。そのため、Aruduinoのユーザーを大学レベルの早い段階から巻き込み、5年後、10年後に、そうしたユーザーが「ルネサスのマイコンを使えばよいのではないか」と思い至ってくれるような土台作りをしていきたい。
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