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「2030年に時価総額6倍を目指す」 ルネサスCEO長期的な成長戦略に舵を切る(2/3 ページ)

» 2022年09月29日 09時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

ファブライト化で「各工場の位置付けを明確に」

 「土台」となる要素の一つが多様性だ。ルネサスは、主にM&Aによって、プロダクトミックスからR&D拠点、ターゲットとする市場セグメント、従業員の出身に至るまで、多様化を進めてきた。

ルネサスでは、多様化が進んでいる[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 「この先も(多様化を)延々と続けるわけではないが、もう少し集中や偏りがなくなり、全体的にバランスのよいパイチャートになればよいと考えている」(柴田氏)

 ファブライトも、ルネサスが以前から取り組んできた戦略の一つだ。前工程、後工程ともに外部委託(ファウンドリーやOSAT[Outsourced Semiconductor Assembly and Test]の使用)を増やしてきた。2022年上半期時点において、内製の割合は前工程、後工程ともに43%と半分以下になっている。

 柴田氏は「今後も、自社工場への投資は行っていく」としつつ、全体的にはファウンドリー/OSAT委託の割合をもう少し増やしていくと述べた。特に前工程では、「自社工場とファウンドリー、それぞれの位置付けを、より分かりやすくしていく」と述べる。例えば、先端プロセスではファウンドリーを使用する。より成熟したプロセス(40nmプロセスノードより古いもの)では、自社工場とファウンドリーを利用する“ハイブリッドモデル”とする。

 さらに、単に内製とファウンドリーを使い分けるだけでなく、自社の工場の位置付けを明確にしていく。那珂工場(茨城県ひたちなか市)の300mmウエハーライン(N3)、川尻工場(熊本県熊本市)、西条工場(愛媛県西条市)など、成熟プロセスを使用する工場では、アナログ製品やMCUの生産量を増加する。一方でパワー半導体の生産については、再稼働を発表した甲府工場(K6/山梨県甲斐市)、那珂工場の200mmウエハーライン(N2)、高崎工場(群馬県高崎市)に集約していく。

ルネサスのファブライト化[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

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