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HDD大手Western Digitalの業績、フラッシュの値下がりで営業利益が前年の3分の1に減少福田昭のストレージ通信(246)(1/2 ページ)

米Western Digitalの「2023会計年度第1四半期」(2022年7月〜9月)を紹介する。

» 2022年11月08日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

前年比の売上高は26%減、営業利益は68%減に

 ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2022年10月26日、WDが同年10月27日である。そこで前回と今回は、Seagate(前回)とWD(今回)の四半期業績を続けてご報告している。繰り返しになるが、前回はSeagateの四半期業績をご説明した。今回はWDの四半期業績をご報告する。

 WDの会計期間もSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。10月27日にWDが発表したのは2022年7月〜9月の四半期業績で、会計年度では「2023会計年度第1四半期」となる。

 WDはHDDの大手ベンダーであるとともに、フラッシュメモリ応用品の大手ベンダーでもある。HDD事業とフラッシュメモリ事業の売り上げ比率は若干の変動はあるものの、おおむね半分ずつを占める。2023会計年度第1四半期(2022年7月〜9月期)の業績は要約すると、フラッシュメモリの価格低下とHDDの出荷数量減が売り上げと営業利益の低下を招いた。以下にもう少し詳しく説明しよう。

 2023会計年度第1四半期(2022年7月〜9月期)の売上高は前四半期比(前期比)17.5%減、前年同期比26.0%減の37億3600万米ドルである。前期比は前の四半期に3四半期ぶりに増加したものの、今期は減少となった。前年同期比は2四半期連続で減少した。

 2023会計年度第1四半期(2022年7月〜9月期)の営業利益(Non-GAAPベース)は前四半期比(前期比)56.3%減、前年同期比67.8%減の3億700万米ドルである。粗利益率(Non-GAAPベース)は26.7%で、前四半期比(前期比)で5.6ポイント減、前年同期比では7.2ポイント減となった。売上高営業利益率(Non-GAAPベース)は8.2%である。前四半期比(前期比)では7.3ポイント減、前年同期比では10.6ポイント減と下降した。

2023会計年度第1四半期(2022年7月〜9月期)の業績概要(Non-GAAPベース)[クリックで拡大] 出所:Western Digital
Western Digitalの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお営業利益はGAAPベースなので、業績概要のスライド(Non-GAAPベース)とは数値が一致していない[クリックで拡大]
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