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AMDが開発したサーバ向けプロセッサ「第4世代EPYC」の概要福田昭のデバイス通信(372)(1/3 ページ)

今回は、AMDの「第4世代EPYC」と「EPYC 9004シリーズ」の開発と技術仕様に関する情報を紹介する。具体的には開発ロードマップやプロセッサの内部ブロック、マルチプロセッサ構成などを説明する。

» 2022年11月22日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

第4世代EPYCでは4つの製品シリーズを開発予定

 AMDは2022年11月10日(米国時間)に米国カリフォルニア州サンフランシスコでサーバ向けプロセッサ「EPYC(エピック)」の新製品発表会「together we advance_data centers」を開催した。新しい「EPYC」は、x86互換のCPUコア「Zen(ゼン)」シリーズの第4世代となる最新のCPUコア「Zen4」を搭載する。名称は「第4世代(4th Gen)EPYC」である。

 本コラムの前回では、「第4世代EPYC」シリーズの第1弾である「EPYC 9004シリーズ」の製品情報を主にご報告した。具体的には製品概要と品種一覧、品種別の価格表、性能評価(ベンチマーク)値、競合品および前世代品との性能比較などである。

 今回は、「第4世代EPYC」と「EPYC 9004シリーズ」の開発と技術仕様に関する情報を記述する。具体的には開発ロードマップやプロセッサの内部ブロック、マルチプロセッサ構成などを説明する。

 「第4世代EPYC」の開発計画では現在、「EPYC 9004シリーズ」(開発コード名「Genoa」)に続いて2023年に3つの製品シリーズを発売することが明らかにされている。汎用の「Genoa」に続き、CPUコア数を最大化したクラウド向けの「Bergamo」を2023年上半期に、技術計算用とデータベース用に最適化した「Genoa-X」を同じく2023年上半期に、消費電力当たりの性能を高めたエッジ/通信向け「Siena」を2023年下半期に出荷する予定である。

サーバ向けプロセッサ「第4世代EPYC」の開発ロードマップ。開発コード名「Genoa(ジェノア)」「Bergamo(ベルガモ)」「Genoa-X(ジェノアエックス)」「Siena(シーナ)」の4つの製品を予定する。「Genoa(ジェノア)」が11月10日(米国時間)に、正式な製品「EPYC 9004シリーズ」となった[クリックで拡大] 出所:AMD
「第4世代EPYC」のプロセッサ製品(開発コード名)と出荷予定時期。新製品発表会「together we advance_data centers」の講演を筆者が撮影したもの。中央に立っているのは、AMDのチェア兼CEOをつとめるリサ・スー(Lisa Su)氏[クリックで拡大]

第4世代EPYCは第3世代EPYCと比べて2倍前後の処理性能を実現

 開発コード名が「Genoa(ジェノア)」、製品シリーズ名が「EPYC 9004シリーズ」のプロセッサは前回でも述べたように、最大で96個と数多くのCPUコアを搭載する。前世代である「第3世代EPYC」は最大で64個のCPUコアを内蔵していたので、最大構成のCPUコア数は1.5倍に増えた。

 さらにCPUコアが前世代の「Zen3」から新開発の「Zen4」に変更され、メモリサブシステムが強化された。この結果、第3世代EPYCの最大構成である「EPYC 7763」に比べ、第4世代EPYCの最大構成である「EPYC 9654」は、2倍前後の性能向上を実現した。

第3世代EPYCの最大構成品「EPYC 7763」と第4世代EPYCの最大構成品「EPYC 9654」の性能比較。左はクラウド(整数演算スループット)、中央は高性能コンピューティング(浮動小数点演算スループット)、右はエンタープライズ(Javaアプリケーション処理スループット)のベンチマーク値[クリックで拡大] 出所:AMD
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