ドイツの半導体メーカーElmos Semiconductorは、ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2022」(2022年11月15〜18日)に出展し、最新の12チャンネルRGB LEDドライバー「E521.38」など、同社が市場で高いシェアを有する各分野の製品を展示していた。
ドイツの半導体メーカーElmos Semiconductor(以下、Elmos)は、ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2022」(2022年11月15〜18日)に出展し、最新の12チャンネルRGB LEDドライバー「E521.38」など、同社が市場で高いシェアを有する各分野の製品を展示していた。
Elmosは1984年設立の半導体メーカーで、ドイツ・ドルトムントに本社を置く。売上高規模は3億2200万ユーロ(2021年)でそのうち約90%が車載向けと、自動車分野を主力とし、超音波センサーなどの各種センサーおよびモーター制御、LEDドライバーICなどの開発、製造、販売を行っている。売り上げの48%はアジア/太平洋地域、41%は欧州で、車載エアコンのフラップ用モータードライバーや超音波センサー、車室内およびリアライト用LEDドライバー、ジェスチャーコントロールICの分野で高いシェアを有しているという。2022年11月には、ドルトムントにある同社200mmウエハーの工場を中国Sai MicroElectronics参加のスウェーデン企業Silex Microsystemsへ売却する取引がドイツ連邦政府に阻止されたことが話題にもなった。
今回の展示では、自動運転、エレクトロモビリティ、快適性、効率性をテーマに同社の各製品を用いたソリューションを展示していた。
LEDドライバーの展示では、同社の車室内のアンビエントライトやリアライト向けの製品を展示していた。同社によると、車室内用途の分野では同社が世界シェアトップだという。説明担当者は、「市場の超大手メーカー各社は、かなり以前からフロントライト向けの投資をすすめており、当社はそこに参入する気はなかった。われわれは、ニッチな分野に進出し、そこで機能統合など技術的な優位性を発揮して顧客に付加価値を提供することを強みに、高いシェアを獲得してきた」と語っていた。
車室内ライト向けでは、12チャンネルRGB LEDドライバー「E521.38」のデモを展示していた。同製品は各チャンネルに最大1kHzの16ビットPWMジェネレータを備え、チャンネルあたり60mAの最大出力電流を持つ製品で、12ビットのA-Dコンバーター、ArmのCortex-M0ベースのマイコン、2kバイトのフラッシュメモリなどを統合。車載製品の機能安全規格ASIL B対応で、動作可能温度範囲は−40〜+125℃だ。4個のRGBまたは3個のRGBW/RGBY LEDを1個で制御可能かつ、6個のRGBに対応するマルチプレックスモードもサポート。自由な色や光の強弱などを自由かつ高精度に制御し、高価格帯の車両を中心にニーズが高まる高品質なアンビエントライトを実現するとともに、部品数の削減も可能になるという。
デモでは六角形を並べたハニカム構造のライトを展示。六角形それぞれに3つのRGB LEDおよび1つのE521.38を搭載し、色の変更やグラデーションなどが自由に行える様子を紹介していた。
説明担当者は、「われわれは各自動車メーカーのアプリケーションに対応する柔軟性、価格、機能安全、そしてチップの性能をフルに発揮できる電力損失低減技術などの特許技術を大きな強みとして製品を展開していく」と語っていた。
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