米Seagate Technologyの2023会計年度第2四半期(2022年10月〜12月)の業績を解説する。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2023年1月25日、WDが同年1月31日である。そこで今回と次回は、Seagate(今回)とWD(次回)の四半期業績を続けてご報告する。
Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。1月25日に同社が発表したのは2022年10月〜12月の四半期業績で、会計年度では「2023会計年度第2四半期(Q2FY23)」となる。
2023会計年度第2四半期(2022年10月〜12月期)の売上高は前四半期(前期)比7.3%減、前年同期比39.4%減の18億8700万米ドルである。前期比は4四半期連続の減少、前年同期比は3四半期連続の減少となった。
概況としては、大容量ストレージ製品(マスキャパシティ製品)市場でニアラインHDDの顧客在庫が依然として高い水準にあること、中国の景気後退が画像データ(VIA:video and image applications)用HDDの需要を鈍らせていることが、売り上げのさらなる減少を招いた。既存のストレージ製品(レガシー品)は比較的堅調で、大容量製品の売り上げ減を一部、補った。
一方、前期(2023会計年度第1四半期(Q1FY23))の業績発表(参考記事:「HDD大手Seagateの四半期業績は2桁%の減収減益に」)で打ち出したコスト削減策が効果を上げているとした。在庫水準は前期比で26%減少した。設備投資額は前期比で41%減と大きく抑制できた。
2023会計年度第2四半期(2022年10月〜12月期)の営業利益(Non-GAAPベース)は前四半期(前期)比40.8%減、前年同期比82.4%減の1億900万米ドルである。粗利益率(Non-GAAPベース)は21.4%で、前期(前四半期)から4.1ポイント低下した。売上高営業利益率(Non-GAAPベース)は5.8%で、前の四半期から4.2ポイント低下した。
なお、GAAPベースの営業損益は1億6000万米ドルの赤字である。GAAPベースの粗利益率は13.0%、営業利益率はマイナス8.5%となった。営業損益が赤字になるのは、筆者の調べでは2009会計年度第4四半期(2009年4月〜6月期)以来のことだ。このときの営業損失は2000万米ドル、売上高は23億5300万米ドルだった。
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