STマイクロエレクトロニクスは、耐圧100Vのnチャネル型パワーMOSFET「STL120N10F8」を発表した。性能指数(オン抵抗×ゲート電荷)を従来品に比べ40%も向上させた。モーター制御や通信/コンピュータシステム向け電源などの用途に向ける。
STマイクロエレクトロニクスは2023年3月、耐圧100Vのnチャネル型パワーMOSFET「STL120N10F8」を発表した。性能指数(オン抵抗×ゲート電荷)を従来品に比べ40%も向上させた。モーター制御や通信/コンピュータシステム向け電源などの用途に向ける。
STL120N10F8は、酸化膜充填(じゅうてん)トレンチ技術「STripFET F8」を採用している。これにより、オン抵抗は最大4.6mΩ(VGS=10V)と極めて小さく、600kHzまでのスイッチング周波数で効率的に動作することが可能となった。また、ドレイン・ソース間の電圧スパイク防止やエネルギー損失を最小化することもできる。ボディダイオードのソフトリカバリー特性によって、電磁干渉(EMI)も低減されるという。
さらに、ハードスイッチング/ソフトスイッチング・トポロジーの両方において電力変換性能を向上させることができる。産業グレード仕様にも完全に準拠した。しかも、ゲートしきい値電圧が厳密に制御されており、複数のMOSFETを並列接続する場合の大電流対応を簡略化することができるという。10マイクロ秒以内のパルスに対しても、最大800Aの短絡電流に耐えることが可能である。
STL120N10F8は既に量産中で、PowerFLAT5×6パッケージで供給される。価格は1000個購入時の単価が約1.04米ドルである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.