ソフトバンクとEnpower Japanは、リチウム金属負極を用いた全固体電池セルで、重量エネルギー密度を300Wh/kgまで向上させることに成功した。
ソフトバンクとEnpower Japanは2023年8月、リチウム金属負極を用いた全固体電池セルで、重量エネルギー密度を300Wh/kgまで向上させることに成功したと発表した。
固体電解質を用いる全固体電池は、リチウムイオン電池に比べ電解液の発火や液漏れがなく、安全性に優れている。寿命特性や温度特性の向上、作動電圧範囲の拡大なども期待されているという。
一方で、正極活物質−電解質の界面における密着性が低いことや、イオン伝導に関わる界面抵抗の増加により、電池容量の減少あるいは、出力特性や寿命特性の低下などが懸念されている。電池が重くなり、重量エネルギー密度が低くなるという課題もあった。
ソフトバンクとEnpower Japanは今回、正極活物質−電解質の界面抵抗を低減したり、正極合材中の固体電解質について重量比を削減したり、固体電解質層を薄膜化したりする技術を開発し、これまでの課題を解決した。重量エネルギー密度300Wh/kgという値は、現行リチウムイオン電池セルの最高値と同等レベルだという。
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