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Altium買収のルネサス 「設計プラットフォーム+半導体の2本柱を作る」電子機器設計を容易に(1/2 ページ)

ルネサスは2024年2月15日、PCB(プリント基板)設計ソフトウェアなどを手掛ける米Altiumを買収すると発表した。買収額は約91億豪ドル(約8879億円)。今後、エレクトロニクス設計のプラットフォーム提供を目指す。

» 2024年02月15日 16時50分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2024年2月15日、PCB(プリント基板)設計ソフトウェアなどを手掛ける米Altiumを買収し、完全子会社化すると発表した。併せてオンライン説明会を開催し、買収の詳細を語った。Altiumの全株式(1億3327万9432株)を1株当たり68.5豪ドルで現金で取得する予定で、買収額は約91億豪ドル(約8879億円)を想定している。2024年下半期中に買収を完了する予定だ。

プラットフォーム提供でエレ設計を手軽に

ルネサス エレクトロニクス CEO(最高経営責任者)の柴田英利氏 ルネサス エレクトロニクス CEO(最高経営責任者)の柴田英利氏

 今回の買収によってルネサスは、エレクトロニクス設計のプラットフォームをクラウド上で提供することを目指す。電子機器の設計から動作シミュレーションまで行えるプラットフォームを想定していて、実物を用いた(手戻り)リスクが大きくコストの高い工程を踏まずに検証ができるようにするという。

 ルネサス CEO(最高経営責任者)の柴田英利氏は会見にて、「エレクトロニクス設計はハードルが高い。現在、専門的な知識やリソースのある大規模な企業が担っている」と説明し、「そうした環境を持たない企業がもっと容易にエレクトロニクス設計ができるようにしたい」と述べた。さらに柴田氏はこの構想をPCの登場に例え、「コンピュータは、PCの登場によって誰もがアクセスできるものになった。それをエレクトロニクスの世界で実現したい。産業界全体が手軽にエレクトロニクス設計をできるようにして、イノベーションを起こす」と語った。

 エレクトロニクス設計の各段階で利用できるツールを提供している企業は既にあるが、ルネサスは適切なツールがない領域もあったと見ていて、そうした領域に統一的なプラットフォームを提供するのが狙いだという。

ルネサスが構想するプラットフォームの内容エレクトロニクス設計の段階。青色はルネサスがプラットフォーム提供を目指す領域 左=ルネサスが構想するプラットフォームの内容/右=エレクトロニクス設計の段階。青色はルネサスがプラットフォーム提供を目指す領域[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 サービス(プラットフォーム提供)の開始時期については明言しなかったものの、柴田氏は「最初から大きなものを完成させるというよりは、アジャイル開発のように段階的に導入し、洗練していく」「最初の一歩はひょっとすると1年程度で発表できるのではないか」と説明した。

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