ノイズ研究所は、2024年1月に開催された「第16回 カーエレクトロニクス技術展」で、空間のノイズを3次元(時間、周波数、強度)で表示する空間電磁界可視化システム「EPS-02Ev3」のデモを展示した。数年前に旧バージョンからアップデートしたシステムで、それ以降、新しい機能を追加し続けている。
ノイズ研究所は「第16回 カーエレクトロニクス技術展」(2024年1月24〜26日、東京ビッグサイト)で、空間のノイズを3次元(時間、周波数、強度)で表示し、ノイズの発生源をより簡単に解析できる空間電磁界可視化システム「EPS-02Ev3」などを展示した。
EPS-02Ev3は、ソフトウェアをインストールした制御用PCとカメラ、スペクトラムアナライザー(スペアナ)、プリアンプ、プローブで構成される。まず、ノイズを確認したい箇所が写るようにカメラを設置する。次に、その箇所にプローブを当てると、プローブで取得したノイズ信号をプリアンプで増幅し、それをスペクトラムアナライザー(スペアナ)でリアルタイムに解析する。カメラの画像データとスペアナの解析データを組み合わせ、ノイズの強度をヒートマップで表示することで、ノイズの発生源を容易に可視化できるようになる。
「EPS-02Ev3」のデモ。基板をカメラで撮影し、プローブ(黄色のスポンジが付いている)を当てている様子。モニターには、プローブを当てている箇所の周辺のノイズ強度がヒートマップで示されている[クリックで拡大]ノイズ研究所の担当者によれば、カメラはオンライン会議に使用するようなUSBカメラで十分なので、システムを安価に構成できるという。スペアナは、「テクトロニクス、キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツの主要な品種に標準で対応しているが、それ以外のスペアナでも問い合わせてもらえれば対応できるケースもある」(同社)という。
プローブも、据え置き設備など大型システムの電磁界を測定できるようなものから、基板上の小型部品の測定に適したものまで、さまざまなサイズをそろえている。
ノイズ研究所は、EPS-02Ev3の提供を2019年ごろから開始した。以来、定期的にソフトウェアをアップデートし、スペアナの複数の波形を同時に表示する機能や、ヒートマップデータなどにコメントを追加する機能、測定データの差分を表示する機能など、使い勝手を向上するさまざまな機能が追加されている。同社の担当者は「ノイズは常にある課題。EPS-02Ev3に対しても安定したニーズがある」と語った。
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