車載センサー領域では、モバイル向けがそうだったように、まずは『多眼化(搭載カメラ数の増加)』が成長のけん引役となっていくと予想しているという。
SSSによると、2024〜2025年度に発売予定のクルマは車載カメラ構成が1台につき約8個(予測)なのに対し、2027〜2028年度には約12個(予測)に増加する見込みだという。同社は、この多眼化トレンドによって車両の販売数量は中長期的に緩やかな成長となる一方で車載カメラ数量は2030年度、2019年度比で6倍を超える成長を見込んでいると説明していた。
技術進化のトレンドを見ると、主戦場であるフロントセンシングでは、自動運転システムの高度化に伴い、より長距離を認識するニーズが高まる見込みだ。このため、より小さな画素化と多画素化が進むことになるが、車載特有のHDR(High Dynamic Range)およびLEDフリッカー抑制も両立する必要がある。清水氏は、「ダイナミックレンジは従来よりさらに高い水準が要求されている。画素が小さくなる中でもこれを両立させていくのは、今後の技術的なチャレンジになる」と語っていた。この他、フロントおよびサラウンドで、ビューイングとセンシングの両方を1つのセンサーで対応するという要望も出ているという。
同社は、車載用イメージセンサー市場シェア(インキャビン除く、200万画素以上の車載用イメージセンサー市場における金額シェア)で2023年度、前年度から7ポイント増の32%を占めたといい、2026年度には43%にまで拡大することを目指している。清水氏は、「われわれはこの領域においても差異化技術の開発を進め、今後の競争に勝ち切っていけると考えている」と自信を見せていた。
なお、同社は第5次中計期間中に車載領域での黒字化実現を目指すとしている。
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