京セラは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」にて、車載用小型FIR(遠赤外線)センサーや車載用1.3Mピクセル/3Mピクセルデジタルカメラなどを展示した。
京セラは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(2024年5月22〜24日、パシフィコ横浜)にて、車載用小型FIR(遠赤外線)センサーや車載用1.3Mピクセル/3Mピクセルデジタルカメラなどを展示した。
開発中の車載用小型FIRセンサーは今回が初展示だった。
現在、車載カメラはCMOSイメージセンサーを用いたものが主流だ。信号や標識などの色を判断するには有効だが、暗闇や霧の中では対象物が見えづらい。朝日や夕日が画角に入ってきた直後や対向車がライトを点けた直後には画面が白くぼやけるハレーションが発生してしまうこともある。
一方、FIRセンサーは発熱体から放射される遠赤外線を取り込むため、光源に左右されず、上記のような悪環境下でも周辺の状況や対向車をはっきりと確認することができる。体温の低下した人物も識別できるという。
遠距離の対象物を捉えられることも特徴だ。約100m先の人物も検知できるといい、夜間にヘッドライトの光が届かない範囲までカバーできる。
京セラの担当者は「可視光センサーと組み合わせて、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムに使ってもらいたい」と語った。
車載用1.3Mピクセル/3Mピクセルデジタルカメラも展示した。駐車支援などに向け、現在主流のアナログカメラに代わる製品として開発中だ。カーナビの画面が大型化する中、「アナログカメラの映像では粗さが気になる」といった需要に応えるものだという。
アナログカメラでは見えにくい画面端の部分を鮮明に写せるほか、ダイナミックレンジが1.3Mピクセル品は120dB以上、3Mピクセル品は140dB以上と広いため、明暗差の大きい場所でも黒つぶれや白飛びを抑えられる。
サラウンドビューシステムやリアビューシステム、自動駐車支援などへの使用を想定し、1.3Mピクセル品は2025年、3Mピクセル品は2027年の量産開始を予定している。
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