JSファンダリの破産は単に1社の事業が傾いたというだけでなく、半導体業界全体の課題や傾向が表れているように思います。
この記事は、2025年7月17日に発行した「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたコラムの転載です。
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アナログ/パワー半導体の受託生産を手掛けるJSファンダリが2025年7月14日、東京地裁に破産を申請し、破産開始決定を受けました。東京商工リサーチによると、負債総額は約161億円とのことです。
JSファンダリは、日本政策投資銀行や伊藤忠商事が出資する投資ファンド、マーキュリアホールディングスの中核子会社マーキュリアインベストメントや産業創成アドバイザリーらの提携で、2022年12月、「日本では初めての独立系ファウンドリー専業会社」として設立されました。
同社は日本の半導体生産能力の不足がサプライチェーン脆弱化を招いているとして、国内サプライチェーンの強靭化や国内教育機関における研究/開発の支援を行い、日本の半導体業界発展への貢献を目指すとしていました。
しかし採算面では課題があり、東京商工リサーチによると、2023年12月期は売上高約31億4000万円に対して約13億7200万円の最終赤字を計上。2024年10月からは炭化ケイ素(SiC)ウエハー事業における業務提携を開始。海外企業と資本提携交渉を進めたものの破談になり、今回の破産申請に至ったとのことです。
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