Intelは2024年9月16日(米国時間)、同社のファウンドリー事業に関する方針などを示した。Intel CEOのPat Gelsinger氏が従業員に宛てた書簡の中で言及したもの。
Intelは2024年9月16日(米国時間)、同社のファウンドリー事業を子会社化する計画や、ドイツ新工場建設計画の保留などを発表した。Intel CEO(最高経営責任者)のPat Gelsinger氏が従業員に宛てた書簡の中で言及したもの。
Intelは2024年8月に第2四半期(4〜6月期)の決算を発表。売上高が前年同期比1%減となる128億3300万米ドル、純損失が16億1000万米ドルで、2四半期連続の赤字になった。業績改善に向け、100億米ドル規模のコスト削減計画も併せて発表した。その一環として、2024年内に全従業員の15%に相当する1万5000人を削減する。Gelsinger氏は書簡で、「『Intel 18A』プロセスでの量産が近づく中で、ファウンドリー事業の勢いを維持し、同事業で資本効率をさらに高める必要がある」と言及。コスト削減目標と、AI(人工知能)戦略の推進も推し進める考えを示した。
ファウンドリー事業については、Intel内の独立子会社として設立すると発表。外部のファウンドリー顧客やサプライヤーに対して、Intelの他事業との独立性を確保することを狙う。もう一つの大きなメリットとして、将来的には独自で資金調達が可能になり、事業の資本構造を最適化して、さらなる成長を促進できることも挙げた。
製造拠点については、2023年9月に開設したアイルランド工場が欧州での主要拠点になると強調。同工場は、EUV(極端紫外線)リソグラフィを適用した「Intel 4」で量産を開始している。ポーランドの後工程新工場とドイツの新工場については、市場の需要予測に基づき約2年間保留するとした。ドイツ工場については、計画延期あるいは中止の可能性が地元ドイツでも報じられていた。マレーシアの先進パッケージング工場については、新設している部分の建設は完了させるものの、市況および既存の生産能力の向上をみながら、稼働開始の時期を決定するとした。
米国内の工場建設プロジェクト(アリゾナ州、オレゴン州、ニューメキシコ州、オハイオ州)については、変更は生じない。なおIntelは、CHIPS法(CHIPS and Science Act)に基づき、最大30億米ドルの資金提供を受けることも発表している。
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