理研は、テラヘルツ波による非破壊検査イメージングの一例も紹介した。測定サンプルには、ガラス基板上に金属コーティングされたテストターゲットパターンを使用。テラヘルツ波の散乱や吸収を無視できないタオル地繊維布で覆い隠して、反射イメージング測定を実施した。その結果、下図に示す通り、テストターゲットパターンの反射イメージを非破壊で明瞭に可視化することに成功した。
なお、開発したテラヘルツ波光源が小型/軽量であることから、測定サンプルの位置は固定したまま、光源(測定光学系)を動かして測定した。測定光学系は精密な調整が必要なので、サンプルを移動させて測定するのが一般的だという。
テラヘルツ波非破壊検査装置の開発では、異なる計測対象に対して最適なテラヘルツ波周波数を選択したり、光干渉断層測定法による3次元計測を実現したりするために、広帯域に周波数可変性を持つ必要がある。また、テラヘルツ波に対する吸収が数桁異なるさまざまな計測対象に対して高速かつ高い信号対雑音比で計測を行うために、装置全体を持ち運びできるように小型/軽量化することが求められている。
現在、パルスレーザーを励起光源に用いた光波長変換によるテラヘルツ波発生法が、高輝度特性と周波数可変性を同時に満たす有力な候補として注目されている。しかし、パルスレーザーを発生させるレーザー装置が大型であり、精密な光学調整を必要とするため、小型/軽量化することが難しいという課題があった。
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