デンソーとローム、半導体分野で戦略的パートナーシップ検討へ : 安定供給や技術開発を加速
ロームとデンソーが、半導体分野における戦略的パートナーシップの検討開始に合意した。高信頼性製品の安定供給や高品質/高効率な半導体開発などに関するさまざまな取り組みに向けたものだという。
ロームとデンソーは2024年9月30日、半導体分野における戦略的パートナーシップの検討開始に合意したと発表した。高信頼性製品の安定供給や高品質/高効率な半導体開発などに関するさまざまな取り組みに向けたものだという。
両社は、これまでも車載向け半導体の取引や開発を通じて連携を進めてきたが、今後、信頼性の高い製品の安定供給の実現に加え、持続可能な社会に寄与する高品質/高効率な半導体の開発に関するさまざまな取り組みに向けて本パートナーシップを検討していくとしている。また、デンソーは、ロームの一部株式も取得するという。
デンソー社長の林新之助氏は、「デンソーは、半導体を次世代の車両システムを実現するキーデバイスとして位置付け、豊富な経験や知見を持つ半導体メーカーとの協業関係を深めてきた。ロームは、アナログ、パワーデバイス、ディスクリートなど車載エレクトロニクス製品で重要となる幅広い領域の半導体ラインアップを有し、豊富な量産実績を持っている。デンソーがこれまで培った車載技術、知見を融合させることで、安定供給と技術開発を加速できると考えている」と述べている。
ローム社長の松本功氏は、「世界的なTier1メーカーであるデンソーとロームは、長年にわたって連携を深めてきていて、近年ではアナログ半導体の共同開発なども進めてきた。デンソーとのパートナーシップおよび、デンソーによる株式取得によって、デンソーとの協業関係が一層強化されるものと考えている。カーボンニュートラルの実現に向け、最終製品やシステムを見据えたデバイスレベルでの技術連携が重要になる。自動車/産業機器分野での高度なシステム構築力を持つデンソーとの融合を深めることで、持続可能な社会の実現に貢献できると考えている」とコメントしている。
ローム、東芝と半導体事業の提携強化を協議へ 資本提携も視野に
ロームは2024年3月29日、日本産業パートナーズ(JIP)に対し、ロームと東芝との半導体事業の業務提携強化に向けた協議の開始を提案したと発表した。将来的には資本提携も視野に入れて協議したい考えだ。
独自モールドタイプモジュールで車載SiCの主戦場へ挑むローム
ロームはドイツ・ニュルンベルクで開催された世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2024」の初日に記者会見を行い、同社取締役常務執行役員パワーデバイス事業担当の伊野和英氏がSiCパワーデバイス新製品の概要や、事業の展望などを語った。
23年の車載半導体売上高ランキング、首位はInfineon
Semiconductor Intelligenceは、2023年の車載半導体市場の売上高についての分析と2024年以降の見通しを発表した。それによると、2023年の車載半導体売上高ランキングでは、Infineon Technologiesが市場の13.7%を占めて首位となった。
24年度は増収減益予想のローム、SiCパワー半導体への投資や新製品投入の計画を説明
ロームの2023年度通期決算は、売上高が前年度比7.9%減の4677億円、営業利益が同53.1%減の433億円、純利益が同32.9%減の539億円で減収減益となった。2024年度は売上高が同2.6%増の4800億円、営業利益は同67.7%減の140億円、純利益は同74.1%減の140億円と増収減益になる計画だ。【訂正あり】
VCSELと光拡散材を組み合わせた赤外線光源を開発
ロームは、垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)素子をレーザー光向け樹脂製光拡散材で封止した赤外線光源「VCSELED(ビクセレッド)」を開発し、試作サンプル品の供給を始めた。自動車のドライバーモニタリングシステム(DMS)や車室内モニタリングシステム(IMS)の用途に向ける。
ローム、車載プライマリーLDO「BD9xxM5-C」を開発
ロームは、車載プライマリー電源に向けたLDOレギュレーターIC「BD9xxM5-C」を開発した。独自の高速負荷応答技術「QuiCur」を搭載しており、入力電圧や負荷電流が変動しても、優れた応答特性によって安定した出力が可能である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.