23年の車載半導体売上高ランキング、首位はInfineon：日本企業はルネサスとロームがランクイン（1/2 ページ）

Semiconductor Intelligenceは、2023年の車載半導体市場の売上高についての分析と2024年以降の見通しを発表した。それによると、2023年の車載半導体売上高ランキングでは、Infineon Technologiesが市場の13.7％を占めて首位となった。

[浅井涼，EE Times Japan]

　Semiconductor Intelligence（以下、SI）は2024年6月、2023年の車載半導体市場の分析と2024年以降の見通しを発表した。

　SIは、2023年の車載半導体市場の売上高を前年比12％増の670億米ドルと推定している。企業別の売上高ランキングを見ると、首位は売上高92億米ドルで市場の13.7％を占めたInfineon Technologies（以下、Infineon）だ。続くNXP Semiconductors（以下、NXP）とSTMicroelectronics（以下、ST）の売上高はそれぞれ市場の11.2％、10.6％を占めた。SIは上位12位までのランキングを発表していて、日本企業としてはルネサス エレクトロニクスが売上高47億米ドルで5位、ロームが売上高16億米ドルで10位にランクインした。

車載半導体の世界シェア［クリックで拡大］ 出所：Semiconductor Intelligence

大手ベンダーの業績に暗雲

　車載半導体業界はパンデミック期の供給不足から立ち直り、2021年以降力強い成長を続けてきた。しかし今、市場には減速の兆しがある。

　前述の上位3社の売上高もこの傾向を反映している。Infineonは2022年から2023年初めにかけて力強い成長を報告していたが、2023年第2四半期をピークに減少傾向にある。NXPは2023年第4四半期までは前四半期比での増収が続いていたが、2024年第1四半期は前四半期比5％の減収となった。NXPは2024年第1四半期の業績報告書で2024年前半の自動車市場全体の低調さと在庫縮小の継続に言及している。STの前四半期比の売上高成長率は2022年と2023年を通して平均7％と好調だったが、2024年第1四半期にはこの傾向も終わり、自動車向け売上高が23％減少したと報告した。

　こうした多くの車載半導体大手ベンダーでは、車載半導体の売上高が企業全体の業績を大きく左右する。2023年の各ベンダーの総売上高のうち車載半導体が占める割合は、Infieonでは53％、NXPでは56％、STでは41％だった。

車載半導体大手3社の売上高推移［クリックで拡大］ 出所：Semiconductor Intelligence