ディスコは「SEMICON Japan 2024」(2024年12月11〜13日、東京ビッグサイト)に出展し、GaN(窒化ガリウム)などの次世代半導体材料向けソリューションを紹介した。
ディスコは「SEMICON Japan 2024」(2024年12月11〜13日、東京ビッグサイト)に出展し、GaN(窒化ガリウム)などの次世代半導体材料向けソリューションを紹介した。
今回ディスコは半導体製造装置の現物を20台以上展示した。中でも目玉だったのは、12月10日に発表したGaNインゴットスライス用レーザーソー「DKL7640」だ。
同製品は、ディスコ独自のインゴットスライス手法「KABRA」を適用したもの。KABRAは、インゴットの任意の深さに焦点を定めてレーザーを連続照射することでその深さに分離層を形成し、そこからインゴットを剥離/ウエハー化する手法だ。これまでにSiC(炭化ケイ素)向けの製品でも適用してきた。
GaNは、結晶成長に時間がかかることやインゴットが小径で薄いことなどからSi(シリコン)よりもコストが高く、製造工程におけるコスト削減が重要な課題となっている。
GaNウエハー製造は、従来はワイヤソーでスライスする方法が主流だったが、インゴットが硬くかつ割れやすいため時間がかかり、1時間当たりのウエハー生産枚数は1枚程度だったという。KABRAプロセスを用いれば、1時間当たり6枚まで向上する。
ウエハー生産に伴う材料ロスも大きく低減する。従来手法では切断に伴う材料ロスが1枚当たり約150μm生じていたが、KABRAプロセスではそれが発生しない。また、レーザーの制御によって切断面のうねりを抑えられるため、研削による材料ロスも従来の約100μmから約60μmまで低減できる。その結果、1インゴットあたりのウエハー取り枚数は従来の8枚から11枚まで向上するという。
DKL7640は8インチまでのGaNインゴットに対応しているので、大口径化が進んでも長期的に利用できる。ディスコのブース説明員はDKL7640について「GaNウエハー製造のスタンダードを目指す製品だ」とした。
2024年12月からテストカットを受け付けていて、出荷開始は2025年秋ごろを予定する。
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