Holthaus氏は、「データセンター分野に関しては、Intelは大きな課題に直面している」と述べる。
「われわれにとって2025年は、市場セグメントのシェア低下を安定させ、シェア回復に向けて適切な製品を構築することに全力を尽くす年になるだろう。そのためにはやるべきことがたくさんある」(Holthaus氏)
また同氏は、「データセンター事業は、クラウドサービスプロバイダーが独自のカスタムCPUやAIアクセラレーターの開発に取り組んでいることなどにより、大きな変化を遂げている。Intelは最近、x86アーキテクチャの利用を推進する『x86 Ecosystem Advisory Group(x86エコシステム・アドバイザリー・グループ)』を発表しており、こうした企業からのフィードバックを未来のアーキテクチャ機能に反映させることで、データセンターCPU市場により良いサービスを提供していきたい考えだ。Intelの『Xeon』ロードマップは快調だが、近年では競合メーカーであるAMDが、より優れたサービスを顧客企業に提供している」とも語った。
Intelにとって、データセンターAIの製品戦略においてやるべきことがまだ山積しているのは明らかだが、Holthaus氏は、「完全に振り出しに戻るのは無駄なことだ」と述べる。
「ゼロからのやり直しは、学ぶことが何もないということを意味する」(Holthaus氏)
同氏は、「Intelにとっては、データセンターAI製品をゼロから開発するのに2〜3年を費やすよりも、少量生産の製品を手掛けることで、学びながら改良していくこと方が良い」と述べた。
「われわれは『Gaudi』をステップ1とみなし、特にソフトウェア/プラットフォームレベルで素晴らしい学びをいくつか得ている。しかしGaudiは、世界中のシステムに容易に展開できるようなGPUではないため、まだ大衆市場には到達できていない」(Holthaus氏)
Holthaus氏は、Intelの次世代ヘテロジニアスGPU「Falcon Shores」とGaudiの役割について率直な見解を示し、「それが素晴らしいものになるかというと、そうではない。しかし、プラットフォームを実現し、そこから学び、全てのソフトウェアがどのように機能し、エコシステムがどう反応するのかを理解する上で、幸先の良い第一歩だといえる。その後は、素早く繰り返し改良していくことができる」と述べた。
Holthaus氏は、AI推論にチャンスがあるとみている。そこにはワークロードのトレーニングとは異なるハードウェアニーズが存在するとみられる。
「どこでどのように競争力を獲得することができるのか、市場のどの分野で最初の足掛かりを得ることができるか、そしてそこからどのように成長していくか、といった点に焦点を絞っていく。率直に言うと、われわれは実用主義(プラグマティズム)を採用する。けん引力のないものに何億米ドルも何十億米ドルも資金を投じるつもりはない。素早く失敗して学び、改良を繰り返していく必要がある」(Holthaus氏)
同氏は、「Intelは全体的に、製品投資が不十分で、迅速には動いてこなかった」と述べ、短期的には製品面でさまざまな困難に直面しているということを認めている。
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