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暫定CEOが示唆した「Intelの今後」課題はデータセンター用製品(1/3 ページ)

2024年12月1日(米国時間)に突如として前CEO(最高経営責任者)のPat Gelsinger氏が退任したIntel。暫定共同CEOを務めるMJ Holthaus氏は同年12月11日に開催されたカンファレンスで、今後のIntelの事業計画についていくつかの手掛かりを示した。

» 2025年01月06日 14時15分 公開
[Sally Ward-FoxtonEE Times]

 Intel ProductsのCEO(最高経営責任者)であり暫定共同CEOを兼任するMJ Holthaus氏は、2024年12月11日に米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「Barclays Annual Global Technology Conference(以下、Barclays Conference)」において登壇し、前CEOのPat Gelsinger氏が同年12月1日に突然退任したことを受け、低迷するIntelの製品事業計画について、いくつかの手掛かりを提示した。

Intel ProductsのCEO(最高経営責任者)であり暫定共同CEOを兼任するMJ Holthaus氏 Intel ProductsのCEO(最高経営責任者)であり暫定共同CEOを兼任するMJ Holthaus氏 出所:Intel

 Holthaus氏は、Gelsinger氏の戦略との違いについて問われると、「戦略を全面的に変更するつもりはない。新たな焦点として、Intel製品の競争力強化に取り組んでいくだけだ」と述べている。

 Intel Productsの恒久的CEOとして就任したHolthaus氏は、新たな戦略の一つとして、Intelのクラウド/エッジポートフォリオ全体でIP(Intellectual Property)を再利用することを追求していくという。

 同氏は、「われわれには、当社の製品ポートフォリオ全体でIPポートフォリオを利用する方法について本格的に検討するという、大きなチャンスがある。これは顧客企業も実現を期待していることであり、われわれにとっては非常に大きなチャンスだ」と述べる。

 また同氏は、「顧客側では、さまざまな企業がこの先3〜5年にわたって有効なPCを開発しようとしていることから、2025年にはPC市場のAI(人工知能)需要がさらに増大すると予測している。しかし現在のところ、顧客はPCにおけるAIのユースケースがどのようなものなのかを正確には理解していない。ハードウェアを購入する理由の動機となるような利用モデルを見いだす必要があるため、ソフトウェアエコシステムへの投資が必要だ」と強調している。

 Holthaus氏は、PC分野におけるArmとQualcommの潜在的脅威については否定している。

 「私が、“PC分野のArmは実現しない”と発言することは決してないだろう。われわれは競争することでより強くなり、常に誰が次にやって来るのかを気に掛けてさえいれば、絶えずイノベーションを起こし、確実に盲点をなくすことができる。現在小売業者では、Arm製PCはソフトウェア互換性の問題のために返品率が高いという状況が生じている。Appleは、同社の“ウォールドガーデン”である独自OS『iOS』と、ArmベースのMシリーズCPUとの互換性を確保することにかなりの労力を費やした」(Holthaus氏)

 さらに、「Intelは、性能/電力を重視するようになるまでにかなりの時間を費やしてしまったが、2024年の『Lunar Lake』の発表により大きな飛躍を遂げることができた。現在では、市場に出回っている大半のArmデバイスに比肩する、非常に優れた性能と電池寿命を実現している。顧客企業からは、『Intelはついに正しい分野に注力できるようになった』という声が上がっている」と続けた。

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