10億パラメータモデルがエッジで動く Armの新プラットフォーム:Armv9ベースのCPUコア+NPUで構成(2/2 ページ)
Cortex-A320では、2024年に発表されたソフトウェアライブラリ「Kleidi AI」も使用できる。NEONやSVE2向けに最適化されたライブラリであり、ライブラリをKleidi AIに入れ替えるだけで推論性能を向上させられる。
Armは、2024年の年次カンファレンス「Arm Tech Symposia」で、ライブラリを「Kleidi AI」に入れ替えるだけで推論性能を70%向上させられるというデモを展示した[クリックで拡大] 出所:Arm
中島氏は、Cortex-A320を、従来のArmv8-Aベースの「Cortex-A53/A35」からのアップグレードパスとしても推奨していると説明した。「Cortex-A53/A35とも10年以上前のマイクロアーキテクチャをベースにしたもの。次の10年を見据え、Armv9への移行を考えたときに適したコアになるのではないか」(同氏)
Cortex-A320は、「Armv8-A」からのアップグレードパスにも適しているとする[クリックで拡大] 出所:Arm
アームで代表取締役社長を務める横山崇幸氏
アームで代表取締役社長を務める横山崇幸氏は「IoTの世界で最も重要なのはエッジAIではないか。より多くのAI演算を、より低消費電力に実行するために、安全かつ柔軟性のあるAI開発が求められている」と述べ、今回発表したプラットフォームの重要性を強調した。
「従来は比較シンプルだったユースケースが高度化している。そのため、エッジAIでも高いパフォーマンスが求められている。さらに、価値の高いソフトウェアを保護するためのセキュリティも必要だ。こうしたニーズがファクトリーオートメーション(FA)やスマートシティー、スマートホームなどの分野から寄せられている」(横山氏)
Arm、自動車の開発期間を「最大2年」短縮するソリューションを発表
Armは2024年3月14日、「Arm Automotive Enhanced(AE)」プロセッサIP(Intellectual Property)群および、車載システム向けのバーチャルプラットフォームを発表した。新しいArm AE IPを適用した半導体の完成を待つことなく、車載ソフトウェアの開発を始めることができるので、車載システムの開発期間を最大2年短縮できるという。
もはや反省の段階は超えた...Intelは崩壊するのか
TSMCがトランプ政権の要請でIntel Foundryの経営権獲得交渉中であるというBloombergの報道が半導体業界を震撼させているさなか、今度はThe Wall Street Journalが、BroadcomがIntelのCPU事業買収を検討しているという衝撃のニュースを報じた。われわれは、リアルタイムで米国企業の象徴の崩壊を目の当たりにしている可能性が高い。
25年のファウンドリー業界は20%成長 TSMCの最先端ノードは90%稼働
市場調査会社のCounterpoint Researchによると、2025年の半導体ファウンドリー業界の成長率は20%に達する見込みだという。主にTSMCや、AIの波に乗った小規模なライバル企業がけん引役だ。
IDMは限界なのか 重要な局面迎える半導体業界
半導体業界は重要な局面を迎えつつあるのかもしれない。Intelの経営危機や、Armの独自チップ開発報道などは、半導体サプライチェーンや業界のパワーバランスに影響を及ぼすことが予想される。
中国依存で揺れる欧米EV市場 トランプ政権発足でさらに複雑化か
欧州の電気自動車(EV)業界は、中国メーカーとの競争や材料の中国依存という問題に直面している。米国ではドナルド・トランプ政権の発足による政治システムの変革や中国への関税引き上げなどによって、さらに状況が複雑化しそうだ。
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