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TDKが「業界最小級」品で交流電源に参入、5年後50億円目指す一般品の2分の1サイズ(1/2 ページ)

TDKが、同社初となる交流安定化電源を開発した。完全子会社のTDKラムダが手掛けるもので、出力電力2kおよび3kVA品で「業界最小級」(同社)の1Uサイズを実現。2025年7月から量産を開始する。今後3Uサイズの6kおよび9kVA品もリリース予定で、5年後に売上高50億円を目指す。

» 2025年03月25日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 TDKが、同社初となる交流安定化電源を開発した。完全子会社のTDKラムダが手掛けるもので、出力電力2kおよび3kVA品で「業界最小級」(同社)の1Uサイズを実現。2025年7月から量産を開始する。同年8〜9月頃には3Uサイズの6kおよび9kVA品もリリース予定で、5年後に売上高50億円を目指し市場に展開していく。

GENESYS ACシリーズ GENESYS ACシリーズ[クリックで拡大] 出所:TDK

一般品の2分の1のサイズを実現

 新製品は、TDK-Lambdaブランドの交流安定化電源「GENESYS AC」シリーズだ。2025年3月21日に販売開始を発表した。TDKラムダは直流安定化電源では既に多くの製品を展開し、高いシェアを有している。今回、計測分野におけるさらなるシェア拡大を狙い、初の交流安定化電源を開発したとしている。

 GENESYS ACシリーズは、出力電力2kおよび3kVA品が高さ1U(43.6mm)で重量約8kg。6kおよび9kVA品は高さ3U(130.8mm)で重量約24kg(推定値)といずれも「業界最小級」のサイズと重量を実現しているのが最大の特長だ。これは一般的な競合品と比較して3分の1から2分の1ほどのサイズだといい、同社は「交流出力を必要とするあらゆる装置/評価設備の省スペースおよび小型化に貢献する」としている。

 同社は2018年に直流安定化電源で同様に「業界最小級」(同社)という1Uサイズの「GENESYS+」シリーズをリリースしていて、今回、「GENESYS+の設計思想を踏襲する形で開発した」という。説明担当者は「製品の特性を落とさずいかに部品数を減らせるかに着眼点を置いた。同時に本来ハードウェアで担うような役割の一部をソフトウェアに移行する、ソフトウェアの最適化も行っている」と説明していた。

GENESYS ACシリーズの特長 GENESYS ACシリーズの特長[クリックで拡大] 出所:TDK

 さらに、UL61010-1、CSA22.2 No.61010-1、IEC61010-1、EN61010-1といった各安全規格の認証を取得。CE/UKCAマークおよびRoHS指令対応もしていて、「世界標準での安全性を担保できていて、グローバルで使用できる」(同社)。また、購入後の無償保証期間も「業界最長級」(同社)の5年としている。

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