米EE Timesの姉妹媒体であるEmbedded.comは、Numemのマーケティング担当シニアディレクターであるKoji Motomori氏にインタビューを行った。
――NumemのAIシステム向けメモリソリューションは大きく前進しているが、その主な要因は?
Koji Motomori氏 Numemのメモリソリューションは、AIシステムにおける電力効率やスケーラビリティなどの主要な課題に対応する。当社の特許技術であるNuRAM/SmartMemは、以下のように、既存のSRAM/DRAMに対して大きな進化をもたらすことができる。
こうした機能によってプロセッサ性能が全体的に向上し、Numemのソリューションは、エッジデバイスとデータセンターAIシステムの両方における優れた選択肢の1つとなった。
――Numemの革新的技術は、どのような分野にメリットを提供するのか。自動車は関心のある分野なのか
Motomori氏 Numemのイノベーションの主要な受益者としては、データセンターやサーバ、エッジデバイスなどのAIアプリケーションが挙げられる。自動車や航空宇宙、セキュリティカメラ、PC、ウェアラブルAIデバイスなどの主要業界は、電力効率と性能向上をフル活用することで、複雑なAIワークロードを効果的に管理できる。
車載アプリケーションは、Numemにとって重要な焦点の1つとなっている。自動運転やカメラセンシングなどのユースケースでは、リアルタイムの意思決定を行うための低レイテンシやHBMが求められる。Numemのスケーラブルな低消費電力メモリソリューションは、車載AIシステムにおけるこのようなニーズの高まりに応える上で適している。
――NuRAMの生産では、MRAMの場合と比べると何か特定の課題があるのだろうか。NuRAM製造向けの設備が整っているファウンドリーは?
Motomori氏 ありがたいことに、成熟したMRAM生産能力を備える大手ファウンドリーの多くは、成膜やリソグラフィ、エッチング技術などの専門技術を有していることから、NuRAM生産に対応できるだけの十分な設備が整っている。
われわれが直面している課題は、以下のように、どの半導体設計メーカーにとってもごく普通に存在するものだ。
われわれは現在、主要なファウンドリーパートナーであるTSMCと密接に連携し、NuRAMの製造において同社の高度な生産能力を活用している。さらに、市場/顧客需要に対応できるようスケーラビリティと準備体制を確保すべく、他の大手ファウンドリー数社とも協業している。
――この新技術の導入によって直ちに影響が及ぶ可能性がある、実世界のAIアプリケーション例を挙げてほしい
Motomori氏 Numemのメモリ技術は、以下のような幅広い用途向けにメリットを提供する。
――Numemの次なるステップは
Motomori Numemは、以下のような注力分野においてメモリ技術を進化させていく予定だ。
まずはファウンドリー各社との協業を強化することで、NuRAMの製造を拡大し、高まる市場需要に対応していく。エコシステムパートナーシップの構築にも力を入れる。
さらに、第1世代となる22nm世代を適用したテストチップと、Numemの先端のテストチップを新製品としてリリースする。これらは、2025年第4四半期に立ち上げ予定の12nm NuRAMソリューションのベースになるものだ。
新規市場の開拓も強化する。新興市場やアプリケーションにおけるビジネス機会を特定することで、当社のメモリ技術の採用をグローバルに拡張していきたい。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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