ZeroPoint TechnologiesとRebellionsが、AI推論を低コスト化、低消費電力化するAIアクセラレーターの開発を目指す。ZeroPoint Technologiesのメモリ最適化技術は高速にデータを圧縮し、データセンターのメモリ容量を増大し、1W当たりのAI推論性能を向上させられるという。
スウェーデンのメモリ最適化IP(Intellectual Property)ベンダーであるZeroPoint Technologies(以下、ZeroPoint)は2025年4月、Rebellionsとの戦略的提携により、AI推論に向けた次世代のメモリ最適化AIアクセラレーターを開発すると発表した。2026年に新製品の発表を予定していて「かつてないレベルのトークン/秒/ワット性能を実現できる見込みだ」と主張する。
両社はこの協業の一環として、ZeroPointのメモリ圧縮/コンパクション/メモリ管理技術を用いることで、基本的なモデル推論ワークフローでメモリ帯域幅や容量を増やしていくという。ZeroPointのCEOであるKlas Moreau氏によれば、このハードウェアベースのメモリ最適化エンジンは、既存のソフトウェア圧縮を使用した場合に比べ、1000倍高速だという。
ZeroPointは、精度を犠牲にすることなくトークン/秒/ワットを向上させ、ロスレスモデル圧縮を利用して、モデルサイズや、モデルコンポーネントを動かすために必要なエネルギーを低減したい考えだ。
RebellionsのCEOであるSunghyun Park氏は、共同声明において「当社では、効率性に焦点を絞ることで、最先端のアクセラレーションの限界を押し広げている。ZeroPointとのパートナーシップにより、1ワット当たりの推論性能の可能性を再定義し、生成AI時代に向け、よりスマートで効率的かつサステナブルなAIインフラを提供できる」と述べている。
Moreau氏は声明の中で「われわれは、メモリアクセラレーションが、競争上の優位性という位置付けから、全ての高性能推論アクセラレータソリューションに不可欠なコンポーネントへと急激に進化していくと確信している。AIデータセンターの大幅な効率化を実現するというコミットメントをRebellionsと共有できることをうれしく思う」と付け加えた。
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