SiFiveは、プロセッサファミリー「Intelligence」の第2世代製品を発表した。同製品はAIワークロード向けにカスタマイズされていて、幅広い用途でのAIワークロードを高速化するための大きな進歩となる。
RISC-VコンピューティングのリーダーであるSiFiveは、プロセッサファミリー「Intelligence」の第2世代製品を発表した。これは、幅広い用途でのAIワークロードを高速化するための大きな進歩となる。
Intelligenceファミリー第2世代は、新しいシリーズである「X100シリーズ」の「X160 Gen 2」および「X180 Gen 2」と、高性能エッジおよびデータセンター向けにアップグレードされた「X280 Gen 2」「X390 Gen 2」「XM Gen 2」という5つのRISC-Vベース製品で構成されている。
この新製品によって、SiFiveはAIソリューションの急成長する需要を取り込むことを目指している。Deloitteの分析では、AIワークロードがあらゆる技術分野で少なくとも20%成長し、特にAIエッジコンピューティングでは78%という驚異的な伸びを見せると予測されている。
Intelligenceファミリー第2世代は、現代のAIワークロード向けにカスタマイズされていて、スカラー処理、ベクトル処理、さらにXMシリーズでは行列処理の能力を強化するように設計されている。SiFiveのCEOであるPatrick Little氏は「AIが次世代のRISC-Vイノベーションを加速させる」と述べ、AIの重要な役割を強調した。
同社はすでに堅調な採用実績を誇っていて、公式発表前から米国のティア1半導体企業2社がX100シリーズのライセンスを取得しているという。両社はそれぞれ異なる用途でX100のIP(Intellectual Property)を導入している。1社は、SiFiveスカラーベクトルコアと行列エンジンを組み合わせ、アクセラレーター制御ユニットとして稼働させている。もう1社は、行列エンジンをスタンドアロンのAIアクセラレーターとして利用している。
Intelligenceファミリー第2世代は、AIの展開における重要な課題、特にメモリ管理と非線形関数アクセラレーションに対応している。XシリーズIPの核となるイノベーションは、アクセラレーターコントロールユニット(ACU)として機能することだ。
これによりSiFiveコアは、専用コプロセッサインタフェースである「SiFive Scalar Coprocessor Interface(SSCI)」および「Vector Coprocessor Interface eXtension(VCIX)」を介して、顧客のカスタムアクセラレータエンジンに不可欠な制御/支援機能を提供できる。
同アーキテクチャによって、顧客はプラットフォームレベルでデータ処理のイノベーションに集中して、ソフトウェアスタックを合理化できる。
SiFiveのシニアプリンシパルアーキテクトを務めるJohn Simpson氏は、米国EE Timesとのブリーフィングで、従来のアプローチと比べた優位性を詳しく説明した。同氏は「業界では従来、固定化されたアプローチが用いられていて、有限状態機械を変更することはできなかった」と、従来のアクセラレーター図を参照しながら説明した。
同氏は「急速に進化するAIの世界では、毎週のように新しいAIグラフが登場する。固定化された有限状態機械では新しい種類のグラフに対応できない」と指摘した。一方、SiFiveのインテリジェントコアは柔軟性があり、アクセラレーターチップ上でのローカル処理を可能にしてシステムバス上のトラフィックを低減するほか、前処理/後処理タスクの連結を強化できる。
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