Intelは、データセンター向け半導体だけでなく、AMDと競合する各種x86 CPUビジネスにおいても苦戦を強いられている(図7)
まず、デスクトップPC向けCPUでは、Intelは2021年第1四半期(Q1)に、AMDに市場シェアで追い付かれた。その後はいったんAMDを引き離したものの、2024年Q4に再び追い付かれ、2025年以降にはついに逆転を許した。
次に、サーバ向けCPUをみると、Intelは2021年Q1までは96%以上という圧倒的なシェアを占めていた。しかし、2021年Q2以降は90%前後に低下し、2025年Q1以降には急落して、同年Q3には62%まで低下した。このとき、AMDは37.7%までシェアを拡大しており、この傾向が続けば、2026年にはIntelを逆転する可能性が高い。
このように、IntelはデスクトップPC用CPUで優位性を失い、かつて基幹ビジネスであったサーバ用CPUでもAMDに激しく追い上げられており、近い将来にはAMDの後塵を拝する恐れがある。
となると、Intelに残されたのはノートPC向けCPUしかない。この分野で2019年Q2に90%を超えていたIntelのシェアは、AMDの追撃によって2021年Q4には70%台に低下した。それでも、その後は70%超を維持し、AMDの20%台との差を約50ポイントに保っている。
つまり、現在のIntelが競争力を維持できているのはノートPC向けCPUだけであり、他の主要分野では優位性を失いつつある。こうした状況が、Tan CEOの「これまでのクラウド中心のAIから方針を転換し、AI PCなどエッジAIに注力する」という発言の背景にあると考えられる。
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