サプライチェーンの現場でも導入が進み、追跡タグは年間で2億4500万台の出荷を予測するほか、2026年までに、ワイヤレス状態監視センサー製品の45%がBluetooth接続機器になると見込む。
特に注目している成長領域として、Kolderup氏は「電子棚札」と「スマートラベル」を挙げる。従来、電子棚札には独自のワイヤレス方式が用いられてきたが、米国スーパーマーケットチェーンのウォルマートが、北米、カナダ地域でBluetooth規格の電子棚札を採用するなど普及が進んでいて、2029年までに年間1億3800万台を出荷すると予測している。
スマートラベルは商品タグとして機能するラベルで、食品や医薬品など、一貫して低温での管理、流通が求められるコールドチェーンの分野で特に重宝されるという。こちらもウォルマートが採用を発表していて、2029年までに年間1億4000万台を出荷すると見込んでいる。
Kolderup氏は「Bluetooth SIGでは常時50件ほどの新技術、機能のプログラムが進行している」とし、今後予定している機能強化についても紹介した。HIDに関しては超低遅延化を進めていて、「プロゲーマーに使ってもらえるレベルを目指す」と語る。
オーディオ性能を高める取り組みとして、現状さまざまな独自規格が乱立しているハイレゾ、ロスレスオーディオの標準規格の策定を実施。「転送レートを8メガビット/秒(Mbps)へと拡張する高データスループット(HDT)も実施する。既存ユースケースの性能向上や新規ユースケースの実現を目的としたもので、ハイレゾ、ロスレスの標準化にも必要だ」(Kolderup氏)とし、ともに2026年10月ごろのリリースを予定していることを明かした。
加えて「今後25年にわたって安定した接続性を提供していくために、Bluetooth周波数を5GHzや、それ以上の6GHzといった高周波数帯に対応させるための取り組みも行っている」(Kolderup氏)とのことだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング