太陽誘電は2025年12月2日、2012サイズの基板内蔵対応型の積層セラミックコンデンサー(MLCC)として、世界初(同社)の静電容量100μFモデルを商品化した。AIサーバなど情報機器のIC電源ライン向けデカップリング用途を想定していて、11月から量産を開始している。
太陽誘電は2025年12月2日、2012サイズ(2.0×1.25mm)の基板内蔵対応型の積層セラミックコンデンサー(MLCC)として、世界で初めて(同社)静電容量100μFを実現したというモデルの商品化を発表した。AIサーバなど情報機器のIC電源ライン向けデカップリング用途を想定する。
太陽誘電では2025年9月に、1005サイズ(1.0×0.5mm)の基板内蔵対応型MLCCとして、世界初(同社)の静電容量22μFモデルを商品化している。今回、より大容量なモデルのラインアップを拡充した。
AIサーバなど高度な情報機器に搭載するICは電力消費が多く、電源回路のデカップリング用途には、小型かつ大容量なMLCCが求められる。加えて回路上の損失やノイズを最小限にするためには、電源回路をICの近くに配置することが重要になる。特に基板内蔵対応型の部品では、回路との接続のため、外部電極の平坦性などで精度の高さが求められるという。
そこで太陽誘電は、外部電極形成技術など各種要素技術を高度化して、基板内蔵対応型MLCCの大容量モデルを開発。1005サイズで静電容量22μFのモデルに続き、2012サイズで静電容量100μFのモデルを商品化した。
2025年11月から玉村工場(群馬県佐波郡)で量産を開始していて、サンプル価格は1個120円になる。太陽誘電は「今後もMLCCの商品開発を含め、さらなる大容量化などを進める」としている。
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