Samsung Electronicsの2025年度第3四半期(2025年7月〜9月期)の四半期業績を紹介する。半導体部門の決算の概要をお伝えする。
半導体の大手メーカーであるSamsung Electronicsは2025年10月30日(韓国時間)に、2025年度第3四半期(2025年7月〜9月期)の四半期業績を発表した。発表したのはSamsung Electronics(以降はSamsungと表記)のセット部門、半導体部門、ディスプレイ部門などを含めた業績である。本コラムでは、半導体部門に絞って決算の概要をお届けする。
2025年度第3四半期(2025年7月〜9月期)の半導体売上高は前四半期比(前期比)19%増、前年同期比13%増の33兆1000億ウォン(238億3200万米ドル:1000ウォン=0.72ドルで換算、3兆5086億円:1ウォン=0.106円で換算)である。
半導体部門の営業利益は前四半期(前期)の17.4倍、前年同期比79%増の7兆ウォン(50億4000万米ドル、7420億円)と前期から大きく回復した。売上高営業利益率は21.1%と5四半期ぶりに前期比で上昇した。
2025年度第3四半期(2025年7月〜9月期)の四半期業績まとめ(Samsung全体)。DX(Digital eXperience)はセット部門、MX(Mobike eXperience)はスマートフォン部門、NW(NetWork)はネットワーク機器部門、VD(Visual Display)は映像機器部門、DA(Digital Appliances)は白物家電部門、DS(Device Solutions)は半導体部門、SDC(Samsung Display Co., Ltd.)はディスプレイパネル部門、Harmanは車載用音響映像通信機器・産業用自動化機器部門を意味する[クリックで拡大] 出所:Samsung Electronics(2025年10月30日に公表された連結決算概要のプレスリリースから)半導体メモリの売上高は前四半期比(前期比)26%増、前年同期比20%増の26兆7000億ウォン(192億2400万米ドル、2兆8302億円)である。半導体事業全体に占めるメモリの割合は80.7%で、前期から4.7ポイント上昇した。なおメモリ事業の営業損益は公表していない。
Samsungは半導体事業の概況を「メモリ」と「システムLSI/ファウンドリ」に分けて説明した。「メモリ」の主力製品はDRAMとNANDフラッシュメモリ(およびSSD)である。DRAM製品は人工知能(AI)分野の要求が強く、HBM3E品の販売がさらに拡大した。その他の分野でもメモリに対する需要が強い。強い需要に支えられてメモリ製品の価格が上昇したことが、利益の増加に結びついた。
2025年第4四半期(同年10月〜12月期)はAI分野とサーバ分野の強い需要に応えてHBM3E品や高密度エンタープライズSSDなどの供給に力を入れる。
2026年(来年)はHBMモジュール事業に注力する。HBM4品の供給を拡大するとともに、HBM3E品などの製品系列を充実させることで、HBM市場における地位を高める。
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