カウンターポイントリサーチによると、2025年第3四半期(7〜9月)における「ファウンドリー2.0」(専業ファウンドリーや非メモリIDM、OSATなど)の市場規模が、前年同期比17%増の848億米ドルに達した。世界的なAIブームによりGPUなどの需要が拡大。これを受けてTSMCやASEの売上高が好調に推移し、業界全体の市場規模を押し上げた。
カウンターポイントリサーチは2025年12月、2025年第3四半期(7〜9月)におけるファウンドリー2.0の市場規模が、前年同期比17%増の848億米ドルに達したと発表した。世界的なAIブームによりGPUなどの需要が拡大。これを受けてTSMCやASEの売上高が好調に推移し、業界全体の市場規模を押し上げた。
カウンターポイントリサーチが定義する「ファウンドリー2.0」は、専業ファウンドリーや非メモリのIDM、OSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)企業、フォトマスクサプライヤーを対象としている。
調査結果によれば、2025年第3四半期におけるTSMCの売上高は、前年同期に比べ41%と大きく伸びた。主な要因は、Apple製スマートフォンに向けた3nm世代製品の増加と、NVIDIAやAMD、BroadcomといったAIアクセラレーター顧客向け4/5nm製品をフル稼働で製造したためである。一方で、こうしたフル稼働の状況は、第4四半期の生産数量に制約を与えるとの見方もある。
TSMC以外の専業ファウンドリー各社における第3四半期売上高は、合計で前年同期比6%増の成長にとどまった。こうした中で中国拠点のファウンドリーは、国内政策の支援もあり12%増となった。
非メモリIDMは、前年同期比4%増となった。在庫調整サイクルが終了したことを示すものだという。特にTexas Instruments(TI)は14%増と大きく成長した。
OSAT企業も引き続き好調で、2025年第3四半期の売上高は前年同期に比べ10%の増加となった。これをけん引したのはASE/SPILである。AI GPUやAI ASIC需要への対応が売上高に寄与した。2026年には生産能力の大幅増強による効果も期待されている。
2025年通期見通しについても明らかにしている、ファウンドリー2.0全体の売上高は、前年比15%前後の成長率と予測した。専業ファウンドリー市場は前年比26%増を見込む。当面、AI GPUやAI ASICの需要は高水準が続く見通しである。ところが、TSMCの第4四半期売上高は、生産能力の制限もあってこれまでのように大きな伸びが期待できない可能性もあるという。
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