大阪公立大学の研究チームは、新しい原理の超伝導検出器を開発し、4億画素の撮像に成功した。高画素化に伴ういくつかの課題を解決し、従来の1000倍という画素数を実現した。
大阪公立大学の研究チームは2025年12月、新しい原理の超伝導検出器を開発し、4億画素の撮像に成功したと発表した。高画素化に伴ういくつかの課題を解決し、従来の1000倍という画素数を実現した。
超伝導検出器は、微弱な信号を高い感度で検出できるため、天文学や医療など広い分野で利用されている。近年はイメージングへの応用を視野に入れ、高画素化への取り組みが盛んになった。ところが、超伝導状態を維持するためには、イメージング素子全体を極低温に冷却する必要がある。高画素化を進めるには、ピクセルの均一性を保つ必要がある。信号を読み出すための配線数も増える、といった課題があった。
そこで研究チームは、新たな原理に基づく電流バイアス運動インダクタンス検出器(CR-KID)と、分解能が30ピコ秒という時間デジタル変換器(TDC)を搭載した読み出し回路を開発することで、4億画素イメージングの実証に成功した。試作したCB-KID素子は15mm角で、ピクセルサイズは1μm未満だ。
CB-KIDの動作原理はこうだ。外部から局所的にエネルギーが加わると超伝導クーパー対の一部が壊れて準粒子となり、ホットスポットができる。超伝導ナノワイヤーと超伝導グランド平面の界面に電界が発生し、絶縁層に発生する電界でプラス極性とマイナス極性という電圧パルス対が誘起される。これらが電磁波としてそれぞれ反対方向の電極に向け、導波線路を高速で伝搬する。発生する2つの信号が両極に到達する時間の差によってホットスポットの位置が決まるという。
これは、従来のマイクロ波運動インダクタンス検出器(MKID)や超伝導ナノ細線単一光子検出器(SNSPD)とは動作原理が異なる、新しいタイプの超伝導検出器だという。
今回の研究成果は、大阪公立大学大学院工学研究科の石田武和客員教授、ヴテダン客員研究員(ベトナム・ホーチミン市技術教育大学講師、J-PARCセンター外来研究員)、小嶋健児客員研究員(カナダ国立粒子加速器研究所上席研究員)、小山富夫客員研究員および、研究基盤共用センターの宍戸寛明教授らによるものだ。
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