ロームが2025年度通期の業績予想を上方修正した。売上高は前回予想比200億円増の4800億円。営業利益は同10億円増の60億円、純利益も同10億円増の100億円と見込む。前年同期比では売上高が7.0%増になる他、営業利益、純利益はそれぞれ400億円、500億円の赤字からの黒字転換になる。
ロームは2026年2月4日、2025年度の通期業績を上方修正すると発表した。前回予想比200億円増の4800億円。営業利益と純利益はそれぞれ同10億円増の60億円、100億円と見込む。前年同期比では売上高が7.0%増になる他、営業利益、純利益はそれぞれ400億円、500億円の赤字からの黒字転換になる。
ロームが通期予想を上方修正するのは今期2度目だ。2025年11月の前回決算発表時にも、好調な上期業績を受けた上方修正を発表していた。
足元では、自動車市場でNexperiaによる製品の出荷停止問題が長期化せずに収束し、世界の自動車生産台数が年間成長を維持する見通しである他、コンピュータ&ストレージ市場もPCやサーバ向け製品の需要が堅調に推移。これら両市場の好調に加え、想定を上回る円安進行も寄与し、ロームでは売上高が計画を上回るペースで推移しているという。これによってロームは今回通期売上高について前回予想から200億円上方修正した。なおこの200億円のうち126億円は為替影響によるもので、実質増加分は74億円だ。
一方、2025年度第3四半期から炭化ケイ素(SiC)パワーデバイス事業における品質保証関連費用が増加していることや在庫評価減などによって、営業利益は10億円の上方修正にとどまった。ただ、このSiCパワーデバイス事業における品質保証関連コストは、自動車市場の量産採用時に顧客との最終調整で発生する一時的なもので、来期以降は改善する見通しとしている。
ロームでは、市況変動に左右されない強固な事業基盤の構築と収益性の改善のため、生産拠点再編、事業ポートフォリオ適正化、価格適正化などの構造改革や、SiC事業の収益化などの施策を推進している。今回この構造改革の進捗として、金価格高騰に伴う製品転嫁については既に70%の顧客に承認を得ていて「これを100%にするべく営業と一緒に顧客を回っている」(ローム社長の東克己氏)こと、同時に金ワイヤから安価な銅ワイヤへの置き換えを進めていることを明かした。
また、生産拠点再編についても京都本社の一部生産ラインの閉鎖を決定し、既に顧客への報告/説明を始めているという。
ロームの2025年度第3四半期累計(2025年4〜12月)業績は、売上高が前年同期比7.2%増の3695億円、営業利益は前年同期110億円の赤字から97億円の黒字、純利益は同2億円の赤字から148億円の黒字になった。民生機器市場ではアミューズメント向けで大幅な増収があった他、自動車市場でも特に欧州は好調だという。こうした売り上げ回復に加えて固定値削減の効果が寄与し、黒字に転換した。
セグメント別でみると、LSIは、自動車市場では先進運転支援システム(ADAS)向けが調整局面となったものの、ボディー向けや電動車(xEV)向けを中心とした高付加価値商品が伸長し全体では売り上げが増加。一方、産業機器市場向けでは前期に引き続き厳しい状況が続いた。民生機器市場はアミューズメント向けが堅調に推移。コンピュータ&ストレージ市場でも事務機向け製品で回復傾向がみられた。これらの結果、売上高は前年同期比8.6%増の1693億円、セグメント利益は同400.1%増の199億円になった。
半導体素子は、SiCパワーデバイスは自動車市場のxEV向けの売り上げが堅調に推移した。シリコンパワーデバイスも民生機器市場向けや産業機器市場向け堅調に推移。汎用デバイスや発光ダイオードも、産業機器市場向けを中心に売り上げが改善した。また、半導体レーザーもコンピュータ&ストレージ市場向けで売り上げが伸長。これらの結果、売上高は前値同期比8.1%増の1558億円、セグメント損失は前年同期204億円の損失から、164億円の損失になった。
このほかモジュールの売上高は前年同期比2.9%減の249億円、セグメント利益は同11.1%増の30億円。その他の売上高は同2.3%増の194億円、セグメント利益は同76.2%増の33億円だった。
なお、ロームはこの日、TSMCの窒化ガリウム(GaN)ファウンドリー事業撤退を受けて、TSMCからGaN技術ライセンスを取得し、650V GaNパワーデバイスを自社生産する方針も明かした。
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