第1の柱となる商品づくりの強化では、技術基盤の向上による「深化」と、メカ・エレクトロニクス・ソフトウェアの統合システム開発による「進化」を両輪で進め、モビリティ領域におけるコンポーネントの強さを車両全体のシステム価値につなげ、顧客の競争力向上に貢献するという。
デンソー代表取締役副社長の山崎康彦氏は「カーボンニュートラルの実現には、多様なニーズに向き合い最適な選択肢を提供し続けることが重要だ。デンソーの技術基盤を磨き上げるとともに、それらを束ねてニーズに最適な統合システムを提供する」と語る。
具体例として、新型のバッテリー電気自動車(BEV)用インバーターを挙げる。独自の三次元構造で電解集中を抑制し、低損失化した炭化ケイ素(SiC)パワーデバイスなどの活用により、従来品と比べて損失を70%低減、サイズを30%小型化したという。2028年度以降にも電力損失を50%低減したモデル、50%小型化したモデルなど順次市場に投入する予定だ。
また、デンソーが独自に開発しているSiC結晶成長技術「ガス法」は、従来の昇華法と比べると成長率が15倍と高く、ウエハーコストを30%以上、二酸化炭素(CO2)排出量を90%以上低減できるという。2027年度の市場投入を見込んでいる。
山崎氏は自動車の知能化にも触れ「交通事故死亡者ゼロを実現するには、自動車単独の先進運転支援システム(ADAS)にとどまらない新たなテクノロジーが必要だ。デンソーは車、人、インフラの連携によって交通事故死亡者ゼロを目指す。多様なセンサーや車載SoC(System on Chip)、冗長アーキテクチャを組み合わせ、事故シーンカバー率80%、不要作動400分の1(新興メーカー比)のシステム基盤を作り出し、2030年度に市場投入したい」とした。
車載SoCについても、空冷での基本機能実現と低コストでの機能拡張の両立を進め、2030年度に消費電力25%減の空冷SoCを市場投入したいと語った。
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