新規事業としては「AIインフラ」「次世代通信」「ロボティクス/インダストリーDX」「モビリティ」を挙げる。このうちAIインフラ領域では、AIサーバ事業に参入する予定だ。「2025-2027年度中期経営計画」では2028年度以降の事業化予定としていたが「できるだけ前倒しして早期の事業化を目指す」(河村氏)という。
「AIサーバ市場では推論用途が急拡大しているのに加え、ハイパースケーラーだけでなく、多様なプレイヤーが投資を拡大している。需給がひっ迫しているAIサーバの確実な供給やユーザーに合わせたスペック提案、課題解決のための総合提案、きめ細かな保守サービスのニーズが高まるだろう。AIサーバの調達/製造能力を持つ鴻海との連携を生かすことで、大きな事業機会を獲得できる」(河村氏)
事業ロードマップとして、河村氏は「まずは日本国内でのAIサーバ販売からはじめ、シャープが日本全国に持つネットワークを生かして保守や運用の体制を構築する。その後はAIサーバの構築/導入支援にも領域を広げ、将来的にはフィジカルAIなど、エッジからデータセンターまでのAI基盤と課題解決ソリューションを提供するインフラプラットフォームまで手掛けたい。できれば2026年度早々に日本国内でのAIサーバ販売を開始したい」とした。
次世代通信領域では、自動運転の普及などで地球上どこでもAIが活用される「AI anywhere」社会の実現に向けて、衛星通信の事業化を目指す。まずは世界最小レベルの衛星通信端末を強みに、2027年度中に事業参入を果たし、その後船舶や建設などニーズの大きい特定産業、モビリティやドローンなどへと領域を拡大する予定だ。宇宙用太陽電池事業も、2027年度中の新規大型案件獲得に向けて推進中だとした。
インダストリーDX領域はシャープの映像や音響、AIを活用した制御、シミュレーション技術などを強みに、産業の課題解決に貢献できるとする。「さまざまな企業と認証実験を進めていて、これから事業を大きく進めていきたい」(河村氏)という。モビリティ領域では電気自動車(EV)事業への参入計画を精査中だとしている。
河村氏は「まだ個別に事業規模を出せる段階ではないが、2030年頃には新規事業全体で年間2000〜3000億円程度の規模にしたい。AIの融合で既存事業の強化と事業構造の変革を進め、成長をけん引する新規事業の立ち上げを図り、成長ステージの歩みを進める」と述べた。
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