Intelは、設備投資を増加させている。現在のところ、2026年の設備投資費は200億米ドルを超え、2027年にはさらに増大する見込みだという。このような設備投資費の大半は、製造装置やフロントエンドの生産能力、先進パッケージング、基板、メモリ供給などに充てられる予定だ。
経営陣は、「顧客需要に合わせて投資を行い、コミットメントを確定する前に大規模投資を行うことは避けていく」と繰り返し主張した。Zinsner氏は、「投資の増加は、Intelが未来の需要を確信していることを示していると解釈すべきだ」と述べている。
同氏は「われわれは、顧客コミットメントに先駆けて賭けに出るということに対して非常に慎重だが、それを逆に読むこともできる。2027年の見通しに自信を持っているということは、顧客企業についても非常に強い確信を持っているということだ。そうでなければ、現時点で発注をかけていないだろう」と述べる。
しかしIntelは、外部のファウンドリー顧客に対応するための設備投資と、自社独自のプロセッサ向けの需要を満たすために必要な設備投資とを区別していない。
このような区別が重要なのは、Intelが、社内供給に関する制約が非常に厳しい状況にあると説明していたからだ。同社は、サーバプロセッサ「Granite Rapids」の生産量を増やすために「Intel 3」の生産能力を拡大させており、一方で、新規顧客やサーバ製品をサポートするために18Aの生産量も増加させている。Zinsner氏は「18Aの生産量は、目標を約25%上回っている。また2026年前半には、Intelの主要製品である『Panther Lake』のコストを約50%削減した」と述べている。
このような成果は、Intel Foundryだけでなく、Intel Products(Intelの製品事業部門)も同じように支えている。社内需要が高まれば、工場の生産能力を満たし、利用率/歩留りを向上させ、ウエハーコストを削減できるが、外部顧客が他のファウンドリーではなくIntelを選んでいるということは実証されていない。
Sopko氏は「Intel Foundryは、TSMCにとっての差し迫った脅威になる」とする見方については警鐘を鳴らしている。
「Intelが必ずしもTSMCにとっての脅威になるとは思えない。TSMCは現在、過度にコミットしている状況にあり、需要に対応すべく全速力で突っ走っている。他の企業も半導体チップを生産してパッケージングに対応できるということは、全体としてはプラスの効果となる。今はまだ、必ずしもTSMCとIntelが競争しているというストーリーにはならない」(Sopko氏)
このため、Intelの初期のチャンスは、顧客企業に対してTSMCとの提携を完全に中止するよう説得することではなく、サプライチェーンの選択の余地を与えることによって得られるのではないだろうか。
顧客はIntelをセカンドソースとして承認し、特定の製品をIntelのプロセスで製造したり、またはIntelの先進パッケージングを利用しながら、他のダイは引き続きTSMCで製造することなどが可能になる。Intelは「先進パッケージング技術『EMIB-T』に対する顧客の関心は依然として高く、2027年に顧客が生産を拡大できるよう準備を進めている」と述べた。
このようなアプローチは、最先端ウエハーや先進パッケージング能力が依然として制約されていることもあり、特に魅力的だといえる。また顧客にとっては、フラグシップ製品ファミリー全体を移転させなくても、製造をさまざまな地域で展開することができる。
しかし、選択性の提供は、中間マイルストーンとしての位置付けにすぎない。Intel Foundryは、Intelが外部顧客から主要な製造先として十分に信頼されるようになった時に、より重要な成果を達成することになるだろう。
【翻訳:青山麻由子、田中留美、編集:EE Times Japan】
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