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「Spansion」復活へ、WinbondがInfineonのNORフラッシュ事業買収かつてのメモリ大手の名が再び

Infineon Technologiesが、NOR型フラッシュメモリおよびFRAM事業を、Winbond Electronics(以下、Winbond)に売却する。Winbondは買収後、同事業を独立した事業体として運営し、社名を「Spansion」とするという。

» 2026年09月17日 08時20分 公開
[永山準EE Times Japan]

NOR型フラッシュメモリおよびFRAM事業を11.2億ドルで

 Infineon Technologies(以下、Infineon)は2026年9月16日(ドイツ時間)、NOR型フラッシュメモリ(以下、NORフラッシュ)およびFRAM(強誘電体メモリ)事業を、台湾のメモリメーカーWinbond Electronics(以下、Winbond)に売却することで最終契約を締結したと発表した。取引額は11億2000万米ドル。必要な規制当局の承認などを経て、2027年下半期の取引完了を予定している。Winbondは買収後、同事業を独立した事業体として運営し、社名を「Spansion」とするという。

 売却対象はInfineonの車載、産業、インフラ市場向けのNORフラッシュおよびFRAM事業だ。Winbondによれば、Infineon子会社との間で株式売買契約を締結し、対象事業の株式100%を取得する。取引は現金によるもので、取引額はキャッシュフリー/デットフリー(現預金および有利子負債を除く)ベースで11億2000万米ドルになる。

 Winbondは、今回の買収によってグローバルでの研究開発リソースを拡充するとともに、供給能力や顧客サービスを強化する、と説明している。10カ国以上から人材を引き継ぐほか、サプライチェーンのパートナーも加わる見込みだ。

 対象事業は米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置き、メモリ分野で30年以上の事業経験を持つという。Winbondは取引完了後も米国を本拠地とする独立した事業体として運営する計画で、買収後の事業体を「Spansion」と命名する。

 Spansionは、AMDと富士通のフラッシュメモリ事業を母体として設立された、かつてのNORフラッシュ大手メーカーの名だ。2009年に米連邦破産法11条(Chapter 11)の適用を申請したが、2010年に再建を完了。その後、富士通のマイコン/アナログ事業を取得するなど事業領域を広げていたが、2015年にCypress Semiconductor(以下、Cypress)と合併、企業としての「Spansion」の名称はいったん姿を消した。そのCypressをInfineonが2020年に買収したことで、Spansionを源流とするNORフラッシュ事業もInfineon傘下に入った。

 WinbondのCEOを務めるArthur Yu-Cheng Chiao氏は「『Spansion』という社名と商標を復活させられることをうれしく思う。Spansionは業界のパイオニアで、多くのイノベーションや技術的なブレークスルーを生み出してきた。この名称を引き継げることを光栄に思う」とコメントしている。

SRAMや「HYPERRAM」などは継続

 Infineonは今回の売却について、事業ポートフォリオと資本配分を中核となる成長分野にさらに集中する狙いがあると説明している。Infineonのオートモーティブ事業部門プレジデントのPeter Schiefer氏は「今回の取引によってInfineonは、ポートフォリオと資本配分を中核となる成長ドライバーにさらに集中できる。同時に、NORフラッシュおよびFRAM事業がその潜在力を最大限に発揮することにつながる」とコメントしている。

 なお、InfineonはSRAMや「nvSRAM(non-volatile SRAM)」および、疑似SRAM(pSRAM)ベースの揮発性メモリ「HYPERRAM」、SONOSベースの耐放射線メモリなどの特殊メモリ製品については、引き続き自社の製品ポートフォリオとして展開するとしている。これらの製品は車載、産業、インフラ、航空宇宙、防衛用途向けに提供している。

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