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「開発部門がなくても存在感を放つ日本」 テクトロニクス日本法人代表80周年を迎えたTektronix(1/3 ページ)

2026年に創立80周年を迎えた計測機器メーカーのTektronix。日本法人のテクトロニクスで代表取締役を務める瀬賀幸一氏に、計測機器のトレンドや日本での事業戦略、強みなどを聞いた。

» 2026年08月18日 10時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

80周年を迎えたTektronix

 Tektronixは2026年に創立80周年を迎えた。同社は最新のフラグシップ製品「7シリーズDPO」をはじめとするオシロスコープ(以下、オシロ)やリアルタイムスペクトラムアナライザなどで特に強みを持つ。日本法人のテクトロニクスで代表取締役を務める瀬賀幸一氏に、計測機器のトレンドや日本での事業戦略、強みなどを聞いた。

テクトロニクス 代表取締役 瀬賀幸一氏。テクトロニクスが2026年7月に開催した年次イベント「テクトロニクス・イノベーション・フォーラム」にて撮影 テクトロニクス 代表取締役 瀬賀幸一氏。テクトロニクスが2026年7月に開催した年次イベント「テクトロニクス・イノベーション・フォーラム」にて撮影

ソニーとの合弁から始まった日本法人

オシロスコープ「511A」 「テクトロニクス・イノベーション・フォーラム 2026」の会場に展示されていたオシロスコープ「511A」。当時の価格は約800米ドルだったという[クリックで拡大]

――Tektronixが創立80年を迎えました。

瀬賀幸一氏 設立以来、オシロをはじめ、斬新な技術の開発に取り組んできた。1948年に発表した最初のオシロスコープ「511A」は、いまだに動いている。その後も、リアルタイムスペクトラムアナライザなど、さまざまな計測機器を開発した。

 日本での歴史も長く、1965年にはソニーとTektronixが50%ずつ出資し、合弁会社「ソニー・テクトロニクス」を設立した。これが日本法人の始まりとなった。2002年に合弁を解消したが、その後も日本での積極的な製品開発は続いた。リアルタイムスペクトラムアナライザは、まさに日本のテクトロニクスが開発した製品で、私もそのプロジェクトに関わっていた。

――オシロスコープの現在のトレンドについてお聞かせください。

瀬賀氏 大きな流れとして、高周波数化、高分解能化(高ビット化)、そして自動化が進んでいる。その背景には幾つかの要因がある。まず、データ通信の高速化だ。これによって、高速なサンプリングが求められている。もう一つは信号の電圧の低下だ。昔はTTL(Transistor Transistor Logic)で5Vだったが、現在は1Vを切る時代になっている。一方で電流値が上がり、高分解能で信号を捕捉しなければならない。

 自動計測へのニーズも強い。日本では人口減少とともにエンジニアの数も減っている。計測にかかる時間をできるだけ低減したいというのは共通の要求だ。AIなどを活用して計測を自動化し、結果の分析や次のアクションの決定など、エンジニアにしかできないことにリソースを集中させたいという流れになっている。

――オシロにおけるAI活用はどのように進んでいますか。

瀬賀氏 一例は計測ソフトウェアの記述だ。簡単なソフトであれば、AIである程度書けるようになっているので、ソフトに関するノウハウが十分にないエンジニアでも「このようなシーケンスで計測したい」「このデータを取り込んで、このように分析したい」といった要望を実現しやすいようになってきた。

 先述したように計測を自動化する流れは確かにあるが、それでも自動計測のハードルは高い。ソフトのコーディングのスキルが不可欠で、サードパーティーに依頼してソフトを開発するケースもある。わずかな(ソフトの)変更にもコストや時間がかかるので、そこをAIがサポートしていくようになるのではないか。

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