大阪公立大学は、カプセル内視鏡など飲み込み型医療デバイスで収集した体内情報を、体外へ高効率かつ高速に送信するための「無線通信技術」を開発した。
大阪公立大学大学院情報学研究科の小林匠准教授らによる研究グループは2026年8月、カプセル内視鏡など飲み込み型医療デバイスで収集した体内情報を、体外へ高効率かつ高速に送信する無線通信技術を開発したと発表した。
カプセル内視鏡や飲み込み型体温計、デジタル錠剤といった飲み込み型医療デバイスは、患者への負担が少ない医療技術として注目されている。これらのデバイスを一段と有効活用していくには、集めた体内情報を安定して体外へ取り出すための無線通信技術も重要となる。
研究グループは今回、超広帯域(UWB)通信に着目し、「送信電力」と「中心周波数」「帯域幅」という3つのパラメーターを調整することで、生体通信に用いるUWB波形の最適化を目指した。
具体的には、電波の送り方と使用するエネルギーを最適化することで、生体内通信の性能を大幅に改善した。例えば、送信電力の最適化においては、微弱無線局の電波法規制や電波防護指針に基づく比吸収率(SAR)といった安全基準を順守しつつ、体内の位置に応じて送信電力とUWB波形を最適化した。
送信エネルギーの最適化に関して、動的スパース制御と呼ばれる手法を取り入れたUWB伝送方式を導入した。体表からの位置を3つに区分し、飲み込み型医療デバイスが深い位置にある場合には、人体内で電波が減衰しにくい低い周波数を用いる。浅い位置ではより高い周波数に切り替える方式を開発した。動的スパース制御により重要なUWB波形のみを切り替えることで、40.3Mビット/秒の平均スループットを達成した。
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