ソフトバンク100%子会社のSAIMEMORYが開発を進める次世代メモリ「ZAM(Z-Angle Memory)」。DRAMを立てて、横に並べていく垂直ビルド構造が特徴的だが、その起点はIntelの次世代メモリ基盤技術にあるという。ZAMの詳細をSAIMEMORYに聞いた。
AIの発展に伴い、メモリ需要が急激に伸びている。世界半導体市場統計(WSTS)のデータによると、2026年5月のメモリ月次出荷額は633億米ドルで、2016年からの10年間で市場規模は11倍以上に成長。前年成長率は285%になるという。
市場を見ると、Samsung ElectronicsやSK hynix、Micron Technologyなど米韓の企業が存在感を発揮している。そうした中、日本ではソフトバンク100%子会社のSAIMEMORYが2026年2月に、次世代メモリ技術「ZAM(Z-Angle Memory:ザム)」の実用化に向け、米Intelと協業契約を締結したことを発表した。
左からインテル代表取締役社長の大野誠氏、SAIMEMORY代表取締役社長兼CEOの山口秀哉氏、IntelシニアエンジニアのJoshua Fryman氏(2026年2月に開催されたIntel Connection Japan 2026での様子。山口氏が手に持つのは、Intelが開発したメモリのプロトタイプ)[クリックで拡大]広帯域メモリ(HBM)がDRAMを平行に積層するのに対し、ZAMはDRAMを垂直に立てて並べていく。2026年4月には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「高メモリ密度・広帯域・低消費電力な革新的メモリの製造技術開発」にも採択され、2027年度中のプロトタイプ作製に向けて開発を進めている。
SAIMEMORYの設立背景からZAMの詳細、開発状況などを、SAIMEMORYコーポレート本部 本部長を務める朝倉淳子氏に聞いた。
――SAIMEMORY設立の経緯を教えていただけますか。
朝倉氏 前提として、ZAMで使われている技術の一部は、Intelが2022年頃から米国エネルギー省の支援を受けて推進している「Advanced Memory Technology(AMT)プログラム」で確立された次世代メモリの基盤技術が基になっている。
ソフトバンクではAIとの共存社会の実現に向け、日本最大規模のAIデータセンター構築を推進しているが、その中でメモリがコスト増の要因や、性能向上のボトルネックになっていることを課題視していた。そんな時に、Intelから「(開発していた)次世代技術を使って新しいアーキテクチャのメモリを作りたい」と話があった。ソフトバンク自身は半導体会社ではないが、出資や経営人材の出向、パートナー企業の調整などを行い、まとめ役としてSAIMEMORYを立ち上げた。
――代表取締役社長兼CEOの山口秀哉氏は東芝の出身で、メモリにも携わってきた方とのことですね。
朝倉氏 SAIMEMORYはさまざまな関係者やパートナーが集まっていて、誰か一人の突出して強いプレーヤーがいるというより、それぞれが強みを持ち寄って成り立っている会社だ。立ち上げて事業を進めるうえで、関係者の中でもメモリ業界に長く携わってきた経歴の持ち主ということで、山口に白羽の矢が立った。
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