光伝送の適用領域は、コンピューティングの信号処理速度が上昇を続ける中で、伝送距離の短い配線へと広がりつつある。サーバシステムでは、比較的距離の長いラック間伝送だけでなく、距離の短いラック内(サーバ間)伝送にも光配線が入り込んできた。将来はサーバ内のプリント基板間伝送、さらにはプリント基板上のチップ間伝送にも光配線が適用すると予測されている。
国内ではNTTが、光伝送を通信手段だけではなく、計算(コンピューティング)を含めて利用することで情報通信システムを最適化する構想「IOWN(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)」を2019年に提唱した。IOWNは次世代の通信(ネットワーク)と情報(コンピューティング)の基盤(インフラストラクチャ)となる技術体系である。第1世代の「IOWN 1.0」から、第4世代の「IOWN 4.0」までのロードマップが公表されている。
「IOWN」を実現する中核技術は3つあり、光ネットワーク技術「APN(All-Photonics Network)」と、光電融合技術「PEC(Photonics-Electronics Convergence)」、データ処理基盤「DCI(Data Centric Infrastructure)」で構成される。第1世代の「IOWN 1.0」ではAPNにより、データセンター間を光伝送で接続する。第2世代の「IOWN 2.0」ではAPNに加え、PECによってボード(プリント基板)間を光配線でつなぐ。
第3世代の「IOWN 3.0」ではPECの改良により、ボード(プリント基板)上のパッケージ間も光配線で相互接続する。そして第4世代の「IOWN 4.0」はPECをさらに進化させ、パッケージ内のダイ間あるいはミニダイ(チップレット)間を光接続する。
(次回に続く)
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