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中国に見る高効率な開発戦略 最新ジンバルカメラを分解この10年で起こったこと、次の10年で起こること(106)(3/3 ページ)

» 2026年09月03日 11時00分 公開
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DJIのお掃除ロボット、エントリードローンを並べてみると

 図3は2026年3月に発売となったDJI初のお掃除ロボット「ROMO S」の様子である。多くのお掃除ロボットと同じく、家具などに衝突せず効率の高い掃除を実行するために多くのセンサーを備えている。フロントにはCMOSカメラ2基と2セットのLiDAR。図3以外の場所でもLiDARやソナーなどが周囲に張り巡らされている。DJIのドローンで培われた、衝突しない、墜落しない高度飛行支援システム(APAS)がお掃除ロボットにも応用されている。LiDARはドローン搭載と同じメーカーのものが搭載されている。

図3:DJI初のお掃除ロボット「ROMO S」 図3:DJI初のお掃除ロボット「ROMO S」[クリックで拡大]出所:テカナリエレポート

 表5はDJIが2026年4月に発売した新ドローンシリーズの「Lito X1」と、3月発売のROMO Sのプロセッサとモータードライバーチップの様子である。Litoシリーズは空撮ドローンのエントリー機として新発売されたもので、高度なAPAS機能と空撮機能を備えている。プロセッサの型名は異なっているが、内部のシリコンは同じもの。モータードライブチップも同じものが活用されている。異なる製品でも内部の構成や処理内容は共通化されているわけだ。DJI、Insta360ともに複数製品で同じ基本構造(チップやシステム)を用いることで高い開発効率を築いているようだ。

表5:DJIドローンとお掃除ロボット、チップは同じもの 表5:DJIドローンとお掃除ロボット、チップは同じもの[クリックで拡大]出所:テカナリエレポート

DJI/Insta360以上の高効率開発を行うQualcomm

 表6はQualcommの事例である。DJI、Insta360以上に高効率の開発を行っている。車載先進運転支援システム(ADAS)用として多くの車種で採用される「SA8650P」は、フィジカルAI向けにMCM(Multi Chip Module)を含めて展開されている。MCMの電源ICの数はADAS用の方が1個多いが、ほぼ同じ構成となっている。同じものを流用しターゲット市場を広げているわけだ。こうしたマルチマーケット戦略が米国や中国ではここ数年で劇的に強化されている。開発費が高騰する中、1分野だけという使い方は非効率的だからだ。

表6:Qualcommの高効率開発事例 表6:Qualcommの高効率開発事例[クリックで拡大]出所:テカナリエレポート

 次回はスマートグラスを複数製品取り上げたい。

執筆:株式会社テカナリエ

 “Technology” “analyze” “everything“を組み合わせた造語を会社名とする。あらゆるものを分解してシステム構造やトレンドなどを解説するテカナリエレポートを毎週2レポート発行する。会社メンバーは長年にわたる半導体の開発・設計を経験に持ち、マーケット活動なども豊富。チップの解説から設計コンサルタントまでを行う。

 百聞は一見にしかずをモットーに年間300製品を分解、データに基づいた市場理解を推し進めている。


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