京セラは、こうした光通信ネットワークの幅広い領域にセラミックパッケージ/基板を供給している。
AIデータセンター内では、光トランシーバーに使われるセラミックパッケージ/基板や、EML(Electro-absorption Modulated Laser)などのレーザー向けセラミックサブマウントを展開する。データセンター間や都市間をつなぐネットワークにはIC-TROSAなどに向けたセラミックパッケージ/基板を供給。さらに長距離の基幹ネットワークにも各種セラミックパッケージを展開する。
京セラによると、これら光通信用セラミックパッケージ/基板のトータルシェアは「金額ベースで世界1位」だという。
光通信向けで京セラが強みとして挙げるのが、高周波技術と先行開発、長年の供給実績だ。
独自技術「GamoThru」は、高周波信号の伝送損失を抑える3次元(3D)ルーティング技術で、光通信用のフィードスルー/パッケージに用いる。高速化が続く光通信では信号の周波数も高くなるので、パッケージ内部でも高周波特性の向上が重要になる。
さらに京セラは、市場で求められている製品より「2世代先」の要求仕様をターゲットに開発を進めるとしている。同社によると、次世代品の設計では、高周波化に合わせた設計力に加え、複数のセラミック材料を組み合わせて最適化するノウハウなどが必要になる。
こうした先行開発を可能にしている背景には、30年以上にわたる光通信向け製品の供給実績もある。光通信企業との関係を通じて今後必要になる性能を把握し、市場で具体的なニーズが顕在化する前から製品開発に着手できる点を強みとする。京セラの説明員は「顧客と協力しながら『どんなものが必要か』を把握して開発できることが競争力につながっている」とした。
今後は、既存の光トランシーバーを中心とした光電変換領域に加え、CPO(Co-Packaged Optics)や光スイッチといった次世代領域への事業拡大を進める。
CPOは、スイッチASICなどの半導体と光通信部品を近接して実装することで、電気配線の距離を短縮する技術だ。AIクラスタの大規模化に伴って通信量と消費電力が増える中、光と半導体をより近くで融合することで、消費電力の削減などにつなげることが期待されている。
京セラはCPO向けにセラミックコア基板などを開発するほか、電気信号に変換せず光のまま信号経路を切り替える光スイッチ向けにもセラミックパッケージを展開する方針だ。現在の光電変換領域からCPO/光スイッチまで製品領域を広げ、AIインフラの高速化や低消費電力化を支えていくとしている。
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