TOPPANホールディングスとBroadcomの合弁会社Advanced Substrate Technologiesが、シンガポールにFC-BGA基板を製造する新工場を開所した。TOPPANグループにとって日本国外初のFC-BGA基板製造拠点だ。
TOPPANホールディングスとBroadcomの合弁会社Advanced Substrate Technologies(以下、AST)は2026年9月29日、シンガポールに建設したFC-BGA(Flip Chip-Ball Grid Array)基板の新工場を開所した。シンガポールでハイエンドFC-BGA基板を製造する初の工場で、TOPPANグループにとっても日本国外初のFC-BGA基板製造拠点となる。
新工場はシンガポールのジュロン・レイク地区に位置し、面積は約9万5000m2。当初予定より3カ月早く立ち上げたという。生成AIやデータセンター向けを中心に需要が拡大する大型/高多層FC-BGA基板を製造する。
新工場はTOPPANのFC-BGA基板の主要生産拠点である新潟工場(新潟県新発田市)を補完する位置付けだ。2024年3月に着工し、これまでにシンガポールで200人以上のエンジニアや技術者を採用した。将来の性能要求に対応するための研究開発(R&D)機能も備えるという。ASTは、AI、ネットワーク、次世代コンピューティング用途で先端基板の需要が拡大するのに合わせ、TOPPANおよびBroadcomと連携して生産量を拡大するとしている。
TOPPANは新潟工場でもFC-BGA基板の生産能力を増強している。同工場では2014年にFC-BGA基板の量産を開始し、2022年には拡張ラインでの量産を開始。2026年1月には、AI/データセンター向け先端半導体に求められる高速伝送や大型/高多層化に対応する新製造ラインを稼働した。この新製造ラインの稼働によって、新潟工場のFC-BGA基板の生産能力は2022年度上期比で2倍となった。
TOPPANは新潟とシンガポールの2拠点体制を構築することで、事業継続性を高めるとともに、FC-BGA基板のグローバルな供給体制を強化する方針だ。TOPPANホールディングス社長の大矢諭氏は「シンガポールは、イノベーションや技術力、リソースにおける強固なエコシステムを有している。当社にとって引き続き魅力的な拠点であるとともに、世界の半導体産業へのゲートウェイでもある。AIの活用があらゆる分野で加速する中、TOPPANは今後も先端半導体パッケージングの発展をけん引していきたい」と述べている。
ASTはTOPPANホールディングスとBroadcomの合弁会社で、FC-BGA基板の設計、製造を手掛ける。BroadcomはTOPPANにとって最大のFC-BGA基板顧客でもあり、新工場の開発を支援してきた。
Broadcomの半導体ソリューショングループのプレジデントであるCharlie Kawwas氏は「AIおよびネットワーク向けシリコンの需要が拡大する中、ASTのFC-BGA基板生産能力は、当社に大きな柔軟性と差別化をもたらす。新工場は、業界が基板不足による供給制約に直面する中、その緩和に大きく貢献するとともに、当社のサプライチェーンのレジリエンスを強化する」とコメントしている。
ASTのCEOであるYoshiyuki Iida氏は「TOPPANの厳格な基準に基づいて大型/高多層基板を供給するASTの能力は、AIおよびネットワーク半導体の生産における実際のボトルネックの解消に貢献している。今回の投資は、グローバルな製造ネットワークにおける重要拠点としてシンガポールに長期的にコミットするTOPPANとBroadcom両社の姿勢を示すものであり、半導体サプライチェーンのレジリエンス強化にもつながる」と述べている。
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