村田製作所は、マルチAIエージェントを活用した「AI駆動型研究開発基盤」を開発した。このシステムを活用すれば、実験計画からデータ解析、レポート作成の3工程における実行効率が、従来の業務フローに比べ約22.5倍も向上できると試算している。
村田製作所は2026年9月、マルチAIエージェントを活用した「AI駆動型研究開発基盤」を開発したと発表した。このシステムを活用すれば、実験計画からデータ解析、レポート作成の3工程における実行効率が、従来の業務フローに比べ約22.5倍も向上できると試算している。
電子部品の材料開発では、材料の組成や製造条件、分析結果、特性評価など、さまざまな実験データが生成される。こうした多様なデータは、研究テーマや部門ごとに異なる形式で管理されることもある。このため、社内に蓄積された実験データの検索、活用に多大な時間を要することもあるという。
そこで今回、研究開発のスピードと質を高めるため、蓄積されたデータを研究テーマや組織を超えて効率よく活用できるシステムの開発に取り組んだ。開発したのは、これまで蓄積してきた実験データベース、分析データベース、独自アルゴリズムおよび、社内の技術ナレッジと、マルチAIエージェントを連係させた実験・データ解析環境である。
開発したシステムを活用すれば、開発チームや組織が異なる技術者でも、これまで蓄積された材料組成や製造条件などに関する知見を容易に活用できる。しかも、AI/機械学習を活用した解析環境とシームレスに連係させることで、実験結果の傾向把握や原因分析、得最適条件の検索を効率よく行うことが可能となった。
このシステムを利用する研究者は、ウェブブラウザからアクセスし、自然言語で解析内容や目的を指示する。そうすると、AIエージェントが指示内容を理解して、自律的に実験データの参照や解析計画の立案、解析用コードの生成と実行、データの可視化、考察案の作成、レポート生成などを行う。役割ごとに複数のAIエージェントを連係させることもできる。AIが生成した解析結果や考察に基づき、最終的には研究者がその内容を確認し判断するという。
材料開発の業務を想定した社内実証では、必要な一連の作業を実行できることを確認した。データの読み込みから解析、図表の作成、レポート作成まで約10分で完了した事例もあったという。また、同社が設定した業務モデルに基づくシミュレーションでは、実験計画、データ解析、レポート作成の3工程において、単位時間当たりの処理件数が従来の業務フローに比べ約22.5倍になると試算している。
Ericsson、次世代通信で村田製作所/住友電工と協業
村田製作所、26年度1Qは売上高が過去最高 データセンター関連は81%増
誤差1m以下のUWB位置検知システム、村田製作所
「失敗する機会」を確保 村田製作所のMLCC新R&D拠点
村田製作所、受動部品のシミュレーションモデル提供
人の皮膚に近いセンサー実現に向けた新技術、村田製と九州大Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング