「見えなかった正孔」を可視化 動作中FETで初成功:観測条件を特定、デバイス評価の新手法に
高エネルギー加速器研究機構(KEK)や筑波大学らによる研究グループは、電界効果トランジスタ(FET)が動作する環境下で、電荷キャリアである「伝導正孔」の可視化に成功した。これまで素子全体の平均的な情報として捉えていた正孔の振る舞いを、空間分布として直接観測できるようにした。
高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の福本恵紀特任准教授や筑波大学の吉川康介氏らによる研究グループは2026年10月、電界効果トランジスタ(FET)が動作する環境下で、電荷キャリアである「伝導正孔」の可視化に成功したと発表した。観測するための条件を特定することにより、これまで素子全体の平均的な情報として捉えていた正孔の振る舞いを、空間分布として直接観測できるようにした。
FETが動作する環境下で正孔を可視化[クリックで拡大] 出所:KEK
伝導正孔は、伝導電子と同様に半導体デバイスを動作させる重要な電荷キャリアである。これまではホール効果などの電気計測によって、素子全体の平均的な情報として伝導正孔の振る舞いを観測していた。ところが実験上の制約から、半導体デバイスの動作に寄与する伝導正孔の空間分布を直接観測した例はなかったという。
研究グループは今回、光源としてパルスレーザーを搭載した光電子顕微鏡(フェムト秒光電子顕微鏡)を用い、観測に必要な条件を特定し適用した。この結果、FETが動作する環境下で伝導正孔を直接観察することに成功した。
開発した新たな手法はイメージング法を用いていて、トランジスタ内の膜厚などの不均一性が正孔の観測に影響することも明らかにした。
パルスレーザーを光源とする光電子顕微鏡の外観[クリックで拡大] 出所:KEK
酸化物界面における「隠れた電荷移動経路」を特定、東北大ら
東北大学は、高エネルギー加速器研究機構(KEK)と共同で、酸化物ナノ界面における「隠れた電荷移動経路」を特定した。界面の化学結合ネットワークを取り入れた理論をデバイス設計に導入することで、酸化物ナノ構造の機能設計が可能となる。
「世界初」半金属で高い熱電性能を示す物質の電子構造を観測
岡山大学と名古屋大学、京都大学、広島大学および、高エネルギー加速器研究機構(KEK)らの研究グループは、高い熱電性能を示す半金属「Ta2PdSe6」において、電子が集団的電荷振動と結合した新しい準粒子状態「プラズモニックポーラロン」を初めて直接観測することに成功した。
金属的な性質を持つp波磁性体の存在を初めて実証、理研ら
理化学研究所(理研)や東京大学らの共同研究グループは、反強磁性体でありながらp波スピン分裂が現れる「金属p波磁性体」の存在を初めて実証した。今回の成果は、反強磁性体を用いたスピントロニクスや量子デバイスへの応用が期待できるという。
加速器を用いた「省電力次世代EUV露光技術」開発へ
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先端パッケージング/ヘテロ集積化で産学連携、東北大が主導
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シリコン貫通電極ウエハー全自動研削装置を開発
岡本工作機械製作所は、Si(シリコン)ウエハーの裏面からSi貫通電極を露出させることができる「Si貫通電極ウエハー全自動研削装置」を開発した。同装置を用いると、Si貫通電極の形成プロセスを効率化でき、3次元実装した半導体デバイスのコスト低減や歩留まりを向上させることが可能となる。
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