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「見えなかった正孔」を可視化 動作中FETで初成功:観測条件を特定、デバイス評価の新手法に

高エネルギー加速器研究機構(KEK)や筑波大学らによる研究グループは、電界効果トランジスタ(FET)が動作する環境下で、電荷キャリアである「伝導正孔」の可視化に成功した。これまで素子全体の平均的な情報として捉えていた正孔の振る舞いを、空間分布として直接観測できるようにした。

» 2026年10月27日 09時30分 公開
[馬本隆綱,EE Times Japan]

トランジスタ内の膜厚などが不均一だと正孔観測に影響

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の福本恵紀特任准教授や筑波大学の吉川康介氏らによる研究グループは2026年10月、電界効果トランジスタ(FET)が動作する環境下で、電荷キャリアである「伝導正孔」の可視化に成功したと発表した。観測するための条件を特定することにより、これまで素子全体の平均的な情報として捉えていた正孔の振る舞いを、空間分布として直接観測できるようにした。

FETが動作する環境下で正孔を可視化[クリックで拡大] 出所:KEK

 伝導正孔は、伝導電子と同様に半導体デバイスを動作させる重要な電荷キャリアである。これまではホール効果などの電気計測によって、素子全体の平均的な情報として伝導正孔の振る舞いを観測していた。ところが実験上の制約から、半導体デバイスの動作に寄与する伝導正孔の空間分布を直接観測した例はなかったという。

 研究グループは今回、光源としてパルスレーザーを搭載した光電子顕微鏡(フェムト秒光電子顕微鏡)を用い、観測に必要な条件を特定し適用した。この結果、FETが動作する環境下で伝導正孔を直接観察することに成功した。

 開発した新たな手法はイメージング法を用いていて、トランジスタ内の膜厚などの不均一性が正孔の観測に影響することも明らかにした。

パルスレーザーを光源とする光電子顕微鏡の外観[クリックで拡大] 出所:KEK

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