米SiTime(サイタイム)社は2008年11月3日、MEMS発振器に基づくスペクトラム拡散クロック生成器を発表した。電子機器の開発プロジェクトにおいて、試作機の放射電磁雑音(EMI)を米FCC(Federal Communications Commission)が定めるEMC規制値以下に抑える対策に向ける。「スペクトラム拡散機能を備えない水晶発振器を置き換えることで、FCC規制値をクリアできるように開発した」(同社)という。FCCのほか、カナダや欧州、日本、台湾などのEMC規格に対応可能だとしている。
中心周波数が1M〜200MHzのクロック信号出力に対応した「SiT9001」と、同10M〜220MHzで差動出力型の「SiT9002」を用意した。両品種ともに、変調信号に三角波を用いており、クロック信号出力の変調度を最大2%に調整できる。
SiT9001の実装面積は2.5mm×2.0mm。「スペクトラム拡散クロック生成器としては、業界最小だ」(同社)という。一般的な水晶発振器の置き換えに向けて、標準的な表面実装型パッケージで提供する。電源電圧は1.8V、2.5V、3.3V。サイクル間ジッターは30psである。
SiT9001はすでに量産を始めている。SiT9002は2008年12月にサンプル出荷を初め、2009年2月に量産を開始する予定だ。
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