Texas Instruments(TI)が、Silicon Laboratories(Silicon Labs)を75億米ドルで買収すると発表した。無線接続やハードウェアセキュリティに特化したSilicon Labsの組み込みプロセッサを獲得することで、TIはIoTおよびエッジAI設計における存在感を高めるだろう。
エッジAIの実用化によってIoT市場が変革を遂げつつある中、アナログおよび電源IC大手のTexas Instruments(TI)が、Silicon Laboratories(Silicon Labs)を買収すると発表した。無線接続やハードウェアセキュリティに特化したSilicon Labsの組み込みプロセッサを獲得することで、TIはIoTおよびエッジAI設計における存在感を高めるだろう。
TIのCEOであるHaviv Ilan氏は、今回の買収の主な目的が組み込みプロセッシングであることを認めている。TIは、テキサス州オースティンに本社を置くミックスドシグナルチップのスペシャリスト企業であるSilicon Labsを、約75億ドルで買収する予定だ。これは2011年にNational Semiconductor(NS)を65億米ドルで買収して以来、TIにとって最大の買収案件になる。
これはまた、アナログとデジタルの融合を象徴する事例の1つでもある。ドイツInfineon Technologiesが2020年にCypress Semiconductor(以下、Cypress)を買収したケースの”再現”といえるかもしれない。InfineonはCypress買収によって徐々にエッジAI対応が進む自動車、民生、産業向けのIoT接続分野への進出に成功している。
業界関係者によると、TIは組み込みプロセッシング分野で確かな地位を築いているものの、IoT向けのシリコンや関連ソフトウェアツールにおいてはまだ多くの課題を抱えているという。そしてSilicon Labsは、無線接続やハードウェアセキュリティ向けシリコンにおける堅牢なソフトウェア開発キット(SDK)と開発ツールで知られている。
Silicon Labsは、CES 2026において、自社の無線接続向けシリコンおよび関連ソフトウェアツールチェーンを披露していた。会場ではオープンなリアルタイムOS(RTOS)である「Zephyr」向けに簡素化されたSDKも紹介。このSDKは、独自仕様のカーネルに代わる、移植性の高いプロダクショングレードの代替手段を提供し、次世代IoT設計におけるRTOS導入を容易にすることを目的としたものだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング