180社以上が参画するコンティニュア・ヘルス・アライアンス(Continua Health Alliance)は、BluetoothとZigBeeを利用した低消費電力ヘルスケア・ネットワークの仕様を、医療機器向けネットワークの次世代標準規格として承認した。
180社以上が参画するコンティニュア・ヘルス・アライアンス(Continua Health Alliance)は、BluetoothとZigBeeを利用した低消費電力ヘルスケア・ネットワークの仕様を、医療機器向けネットワークの次世代標準規格として承認した。
この2つの低消費電力無線通信規格を選定したことで、コンティニュアの相互運用可能な個人向け遠隔医療システムは今後、高齢者の個人利用だけでなく、医療機器やフィットネス機器などにも広く利用されるようになるとみられる。
コンティニュアの次世代設計ガイドラインにも定義される予定であるが、この2つの無線通信規格は携帯型機器と据え置き型機器の双方をサポートすることを目的として承認された。
Bluetooth Low Energy規格は近く、最終仕様が策定される予定だ。同技術を用いることで、生体モニターや心拍数センサーといった消費電力の低い携帯型医療機器で、患者の健康状態や健康レベルを常に監視できるようになるという。同技術は、2009年末にもコンティニュアの低消費電力ヘルスケア・ネットワークに適用される見通しだ。
一方、ZigBee Health Care規格に従うと、さまざまなトポロジのネットワーク接続が可能になり、動作検知器やベッド圧センサーなどの低消費電力センサーへの適用が期待される。こうした機器の利用によって、介助を必要とする高齢者一人ひとりの日常生活を向上させることができる。
2009年2月に発表された「コンティニュア設計ガイドライン第1版」では、無線技術として採用されていたのはBluetoothの医療機器向けの仕様である「Bluetooth Health Device Profile」のみであったが、今回のBluetooth Low Energyの承認によって同設計ガイドラインが拡張されることになる。
近距離無線通信規格Bluetoothの普及を推進する業界団体「Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)」のエグゼクティブ・ディレクタであるMike Foley氏は、「Bluetooth技術は、携帯型医療機器のユビキタスな無線接続を可能にした。コンティニュアはさらにBluetooth Low Energy技術を導入することで、携帯型アプリケーションの相互運用に最適な接続環境も実現できるようになる」と述べている。
ZigBee Health Care規格の仕様は2009年3月に確定した。同技術によって、Wi-Fiなどのほかの無線通信に干渉を及ぼすことなく、安全性と信頼性を備えたデータ監視/管理機器の実現が可能となる。ZigBee Health Careは1つのネットワーク内で2〜数千個の機器をサポートできるコスト効率に優れた技術である。米Texas Instruments社や米Freescale Semiconductor社、米Ember社などのプラットフォーム上で動作する。
ZigBeeアライアンスでチェアマンを務めるBob Heile氏は、「低消費電力のセンサリングやモニタリングはZigBeeのコアとなる技術だ。こうした技術が、コンティニュアの技術ロードマップに組み込まれ、遠隔医療システムの製品ラインの拡張に貢献できることを嬉しく思う」と述べている。
コンティニュア・ヘルス・アライアンスは2009年2月に発表した設計ガイドライン第1版を更新し、2010年上半期にも新しいガイドラインを発表する予定だという。これにより、新しい機器や用途が実現し、遠隔医療向けの電子機器やサービスが大幅に拡張される見込みだ。
ヘルスケア機器を扱うオランダRoyal Philips Electronics社のシニア・ディレクタであり、コンティニュアのボード・メンバーを務めるPaul Coebergh van den Braak氏は、同社がZigBee Health Careを適用したさまざまな製品の開発に取り組む計画であることを表明している。
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